久遠キリスト教会牧師、三浦真信氏による著書『コリント人への手紙第一』が、今月、憩のみぎわ社より出版された。三浦氏は、2007年1月14日から09年12月27日にかけて、聖日礼拝でコリント人への手紙第一を連続メッセージした。その内容の要約が翌週の週報に必ず掲載されていたが、今回、一冊の本にまとめられることとなった。
三浦氏はこれまでにも、『マルコの福音書』(01年11月4日から05年8月7日までの連続メッセージ)、『エペソ人への手紙』(05年9月4日から06年12月31日までの連続メッセージ)を、いずれも憩のみぎわ社より出版してきた。これらのメッセージの要約は、キリスト信仰の神髄を理解するうえで非常に分かりやすいと評判で、多くのセル・グループの集いや聖日礼拝に出席できない地方の集いでも用いられてきたという。
16章に分かれるコリント人への手紙第一が、本書ではさらに細かく数節ごとの計76章に分けられ、詳細に語られている。それぞれにタイトルがつけられ、各章のはじめには聖書本文が載せられているので、この本一冊を読めば、コリント人への手紙第一を深く理解しながら通読できる。聖書の他の箇所も数多く引用されているので、この本を読む人が、それぞれに応じて神からの語りかけを聞くことができるのではないだろうか。
コリント人への手紙第一は、パウロを通してコリントの初代教会に宛てて記された書簡だが、教会が抱えるさまざまな問題に言及している。信徒同士の仲間割れ、争い、ねたみ、高ぶりなど、なかなか拭い去ることのできない罪の本質の表れから、キリスト者でありながら陥りやすい不品行といった問題にまで踏み込んで語られる書簡だ。
若い人たちの間で頻繁に取り上げられる結婚、離婚に関する問題についても、この書簡が参照されることが多い。生々しい問題であることは確かだが、そういった人間の弱さが明確に浮き彫りにされることで、神の愛の大きさがはっきり見えてくる。
聖書の注解書は固くて読みにくいというイメージを抱いている人にも、ぜひおすすめしたい。この本は決してそうではなく、長年キリスト者学生会(KGK)に仕えた経験のある三浦氏だからこそか、若い人でも、聖書に親しみのない人でも、とても読みやすいような語り口調で文章がつづられている。
人間に目を向けるのではなく天に目を向け、神の愛によって一致し、来るべき再臨の主を待ち望んでいくことを励ますメッセージを、ぜひこの本を通して受け取ってほしい。