今年7月にさいたまスーパーアリーナで開催された「ラブ・ソナタ東京大会」で、2万3000人の会衆を魅了したポペラ歌手チョン・セフンさんとソプラノ歌手キム・ヨンミさんが21日、東京・淀橋教会の文化伝道集会「第5回フライデー・ラブ・ソナタ」に出演した。「天使の歌声」と呼ばれるカウンターテナーと、故ルチアーノ・パバロッティとも共演して絶賛された世界トップクラスの歌声に、集まった約250人の観客は盛大な拍手を送っていた。
チョン・セフンさんは、中島美嘉さんのヒット曲「雪の華」を日本語で歌いながら、会場の後方から登場。無理を感じさせない、男性による高音の女性パートの歌声に、観客は思わず息をのんだ。続いてチェ・ジウ主演映画「連理の枝」の挿入曲「夢見る島」や「千の風になって」をすべて日本語の歌詞で熱唱。最後に「主はあなたを守る方」を賛美し、神の大いなる愛と豊かな恵み、導きを証しした。
キム・ヨンミさんは、「Love is a many spiendored thing」「non ti scordar di me(私のことを忘れないで)」「神の恵み」「主の祈り」の4曲を、世界の舞台で絶賛された圧倒的な歌唱力で歌い上げた。ゴスペル曲「神の恵み」を日本語の歌詞で歌っている最中、感動して涙を流す観客もいた。
キムさんは、オペラで共演経験のあるルチアーノ・パバロッティの死に触れ、「人はやがて死に、この世の名誉、富はすべてさっていく。しかし、永遠になくならないのは神の愛」と語った。ヨーロッパのコンクールであらゆる賞を総なめにし、拍手を受ければ受けるほど心が虚しくなっていった自身の体験を赤裸々に告白し、「神の恵みが心の隙間を埋めてくださった」「神の恵みがなければ、私はいまここに立っていません」と信仰を証しした。
演奏の合間に、淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏が聖書のメッセージを伝えた。峯野氏は、「私たちは何よりも愛を必要としている」と述べ、親と子、また夫と妻が殺しあうような暗い現代社会に、心温まり、互いが互いを励ましあえる愛が喪失していることを強調した。
峯野氏は、「単に『好き好き』というのが愛ではない」とし、「愛とは、敵対する相手にこそ祝福を祈り、その相手のために自らを犠牲にすること」とイエス・キリストの生涯から説いた。そのうえで、「真の愛を見分け、口でうたう以上に生活でうたいながら愛をわかちあっていく、愛ある生涯にお入りいただければ」と観衆に呼びかけ、人にはできないが、愛そのものである神によって変えられる人生があるという希望を伝えた。
観客は集会後、韓国オンヌリ教会のスタッフから手作りの軽食のもてなしを受け、教会員やスタッフたちと親しい交わりのひと時を過ごした。