天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出て行く人のようです。彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけた。五タラント預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた。同様に、二タラント預かった者も、さらに二タラントもうけた。…『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ』…(マタイの福音書25章14節~30節)
今日の聖書箇所はみなさんもよくご存知のタラントの物語です。有名な箇所ですが、改めて主が私たちに語ってくださっていることを悟りたいと思います。
主人が旅に出かける際、財産をしもべたちに預けました。1人には5タラント、もう1人には2タラント、そしてもう1人には1タラントを託したのです。そして、主人が帰って来た時、1タラント以外の者は倍のタラントを儲けて主人に渡しました。主人は大変喜び「よくやった。良い忠実なしもべだ」と褒め言葉をかけ、さらにたくさんのものを彼らに任せました。神に喜ばれるしもべとなるために、特に16節「五タラント預った者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた」に焦点を当て、忠実さについて3つのことを学びたいと思います。
1.行動する忠実さ
忠実というのは、心の中での真面目さというイメージを持ってしまいがちですが、主は行動に移す私たちを待っておられます。16節「すぐに行って…」と記されています。最近では、動かなくても機械操作で何でも手に入る世の中になっています。利便性では確かに進歩していますが、全てそうなるとどこか味気なく感じないでしょうか。神は無から有を可能にされるお方ですから、「光あれ」とお命じになったように私たちが努力しなくても神が求めるものは何でも生み出せばいいではないかと思います。しかし、愛で満ちた神は、ご自身が命を与えた私たちが、御言葉に生きて行動する者となることを望んでおられます。
2.創意工夫する忠実
16節「…すぐに商売をして」とありますが、商売をしてどれくらい稼げるかでなく、与えられたものをどれくらい上手く活用することができるか、またどこまで用いることができるか創意工夫をしてみたいと思います。あなたの仕事はマンネリ化していませんか? 何年も続けている仕事でも、どこかまた工夫をすれば変わるのではないでしょうか。
信仰生活も同じです。主の前でも紋切り型の新鮮さのない信仰姿勢のままで過ごしていませんか。聖霊によって与えられる思いをそのままにするのではなく、このしもべのようにそれをすぐに行動に移し、チャレンジし最善を尽くしましょう。私たちの主である神の御前に出たときに、「よくやった。忠実なしもべだ」と喜ばれる者になろうではありませんか。
3.結果にこだわる忠実さ
与えられた思いを持ってただ頑張るのではなく、神から言われた目的にこだわり、結果を出したいと思います。ソチオリンピックが開催されておりましたが、選手たちはただ一生懸命に練習をするためではなく、メダルを取得するためには、良い結果を残すためには何が必要かを考えながら毎日の練習に励んでいます。
この世の風潮と同じように、行動せずに文句ばかり言う習慣が気づかないうちに身についていないでしょうか。与えられた神からの思いに応えてすぐに行動し、創意工夫でどのように進んで行くか、また目的の方向に向かって結果にもこだわりながら主の道しるべに従って歩んで行きたいと思います。
◇
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。