救世軍が、毎年恒例の年末助け合い募金「社会鍋」を今年も全国の主要都市で行っている。19世紀末にアメリカの救世軍から始まったこの運動は、日本でも1909年に始まり、今年で104年目を数える。
救世軍は、今年も北は北海道、南は九州まで全国の主要都市で社会鍋を行っており、東京では上野、銀座、池袋、新宿、渋谷の各所で実施している。また、八重洲、渋谷道玄坂、八王子、立川などでも、短期間の社会鍋が行われる。
集められた募金は、被災地でのクリスマスや街頭生活者支援など、様々な支援にあてられる。昨年度は合計約1560万円の募金が集まり、児童・母子支援、高齢者支援、病人・障がい者支援、保護家庭支援、受刑者・更正保護支援など、多岐にわたる支援にあてられた。
19世紀末の不況期にアメリカの救世軍サンフランシスコ小隊から始まったこの運動は、当初スープ鍋を三脚に吊るし、その中に街頭募金を募るというスタイルで行われ、このスタイルが今でも受け継がれている。
日本では、日本人初の救世軍士官(牧師)で、「岡山四聖人」の1人である山室軍平らが1909年に始めた。「集金鍋」「慈善鍋」などいくつかの呼称があったが、現在は「社会鍋」の呼称で定着している。