カナダの無神論団体が、カナダバンクーバー市の広告会社に対し、「神はいない」というスローガンを同市繁華街電子掲示板として掲示するのを拒否されたことを受け、同団体は人権を侵害する行為だと反感を示している。9日米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
カナダ探偵センター(CFI)では、若い女性をターゲットに「祈りは役立たない。行いこそが役立つ。神がいなくても私たちは大丈夫」という広告をバンクーバー市繁華街に電光掲示板として掲示しようとしていた。
一方で広告会社のパッティソン・アウトドアは同社の倫理基準に合わないとして同広告の掲示を拒否した。CFI広報担当者のパット・オーブリン氏は「広告の内容をできるだけソフトで優しいものにしようと努力してきました。私たちはただ私たちだけによる人道的で世俗的な世界観を宣伝したかっただけです」と伝えている。
バンクーバにおいて同広告会社が独占状態にある中で、オーブリン氏はカナダCTVの取材に対し「広告会社が私たちの価値観を掲示すべきであるか否かを判断して却下する立場にあるべきではないと思う」と不快感を露わにしている。
同広告の掲載にいたっては、世俗団体・個人から2万ドルの献金が集まっていたという。
CFIは今後広告掲載の拒否を受けたことに対し、人権を侵害されたことを訴え、その他法的な措置をとっていくという。
なおパッティソン・アウトドアは同社のとった行動は言論の自由の侵害には当たらないとし、「私たちは彼らの広告メッセージそのものを禁止したのではありません。これは言論の自由の問題ではありません。ただ単に同社のガイドラインに満たない内容の広告内容であったから拒否したにすぎません」と述べている。