復活の主イエスの命令と約束
使徒の働き1章1~11節
[1]序
今回は使徒の働き1章1~11節の箇所を復活の主イエスの命令と約束との主題で味わいます。
[2]復活の主イエスの命令
1章4、5節には、復活の主イエスが弟子たちに与えられた命令と約束が記されています。使徒の働き全体は弟子たちがどのようにこの命令に服したか、また主なる神がどのようにこの約束を実現なさったかを伝えていると見ることが出来ます。
(1)「エルサレムを離れないで」
主イエスが十字架にかかり死なれたエルサレム。このエルサレムから始まり、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで福音は広がり行きます。しかし出発点は、どこまでもエルサレムなのです。
(2)「わたしから聞いた父の約束を待ちなさい」
弟子たちは、エルサレムから立ち去ることなく留まる必要。弟子たちは委ねられた使命がいかに重大であり困難なものか知り、またそれを果たして行く道を悟る必要があります。
「父の約束」を待ち望む、ヨハネ14~16章参照。
1章12節以下の弟子たちの祈りの姿。
[3]復活の主イエスの約束
(1)命令と共に約束。5節、「ヨハネは水でバプテスマを授けたが、もう間もなく、あなたがたは聖霊のバプテスマを受けるからです」に見る約束と1章8節の約束。聖霊のバプテスマの約束は、全世界へ福音宣教を押し進めて行く力を教会に満たすため与えられています。
(2)主イエスの中心性
ヨハネ14章26節、「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」。
(3)弟子の群れ・教会に与えられている約束
[4]結び
復活の主イエスが命じておられる命令に注意する。命令と堅く結ばれた約束。復活の主イエスの命令と約束に立ちつつ、主イエスの再臨を待ち望む(1章11節)弟子たち・教会の歩み。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。