【CJC=東京】イタリア警察は6月28日、バチカン(ローマ教皇庁)の高位聖職者や伊政府の諜報機関職員ら3人を汚職などの疑いで逮捕した。スイスから現金2000万ユーロ(約25億8000万円)の不正持ち込みに関与したという。
この聖職者はバチカン資産管理部門で会計を担当するヌンツィオ・スカラノ容疑者。スイスの友人のものとされる現金を、元イタリア情報機関員の男が所有する自家用ジェット機を使い、税関などに申告せずイタリアに持ち込んだ疑い。スカラノ容疑者は男に40万ユーロ(約5100万円)を払ったとされる。
マネーロンダリング(資金洗浄)などの疑惑が絶えないバチカンの「宗教事業協会」(バチカン銀行)の実態調査のため、教皇フランシスコが直轄委員会を26日設置した直後に、新たに聖職者の不正が明らかになった。
バチカン報道事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父は、スカラノ聖職者の活動に関してイタリア当局から要請があれば協力する、と語った。