18日、国際基督教団代々木教会(東京都渋谷区)で行われた朝祷会で、日本キリスト教団渋谷教会(東京都渋谷区)牧師の藤村和義氏が「神の恵みの到来」と題してテトスへの手紙2章11節から14節を引用してクリスマスメッセージを伝えた。
私たちは主の最初の到来と世の終わりの時の到来の間を生きている
藤村氏はクリスマスと再臨について「(人となられた救い主の)最初の到来がクリスマスです。そしてやがて来る主の到来が再臨です。主の最初の到来と、世の終わりの時の到来の間の時間を私たちは生きています。世の終わりの到来を私たちは待つ身であり、また私たちの命にも終わりというものがあります。その限られた期間を生きています」と説いた。
クリスマスを待ち望むアドベント(待降節)について、「アドベントの期間は、初代教会の人々が、救い主を待ち望んでいた時期でもあります。ルカの福音書2章では救い主を待ち望んでいた人が二人ばかり(シメオンとアンナ)出てきます。そういった人たちを想いながら、アドベントの期間を過ごすことが大事ではないでしょうか」と勧めた。
藤村氏は「イエス・キリストを待ち望む気持ちを通して再臨を前にして私たちが生きていることを思い起こすことができます。テトスの手紙では『すべての人を救う神の恵みが表れた(テトス2・11)』とあります。この『現れた』という言葉が、イエス様のご生誕にも言えるのではないでしょうか」と述べた。
14節にある「キリストがわたしたちのために御自身を献げられた」ことについて藤村氏は、「十字架のこと。イエス様の誕生よりも、十字架の時の方が、私たちに救いが来ました。イエス様は神の国、神の支配について語られました。神の御心を語りながら、御心に従って十字架に架かられました。イエス様の誕生は、十字架を見通しているとも言えます。キリストは罪人を救うために世に来られました。神の支配について話されましたが、最終的には十字架に架かられ、救いの御業をしてくださいました。この御言葉は真実であり、このまま受け入れるに値します」と説いた。
肉的な弱さを克服する聖霊の働き
聖霊の働きについて藤村氏は「あらゆる不法から私たちを贖い出します(テトス2・11)。律法に反したこと、してはいけないことを敢えて行ってしまうという、人間的な性質が私たちにはあります。その肉的な弱さを克服するために、聖霊を与えてくださり、良い行いに熱心な者(テトス2・14)としてくださいました。(聖霊によって)このようにさせられて生きていくことができるのです」と説いた。
また、クリスマスのシンボルカラーとなっている赤と緑について、「赤はいばらの冠の赤い実であり、茨の冠で流されたイエス様の血を象徴しています。イエス様が十字架によって私たちの罪と罰を身代わりに受けてくださいました。そのことで私たちの罪が赦されるようになりました。この恵みは、イエス様がこの地に来られたことによって、与えられました。そればかりか、不信心と現世的な欲望を捨てて、それにとどまらないで、この世で思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え(テトス2・12)、聖霊によって実現させてくださいます。緑はエバーグリーン。いつも青々として希望を持って、神様の御前で喜んで過ごしていく者でありたい。年老いてもなお、青々と信仰に満ちて進んでいくことができる幸いがあることを、クリスマスを迎えるにあたって感謝しながら、せっかくくださる恵みを失わないように、それを十分に頂いて、生きていける者とさせていただきたい」と説いた。
朝祷会はエキュメニカル運動の一環としてカトリック、プロテスタントの各教派によって全国各地の教会でヨハネ17章21節「すべての人を一つにしてください」を中心聖句に行われている祈りの運動であり、共にキリストの愛に生かされている者たちの一致を求め、福音の前進と、主にある平和が祈られている。