万代氏はルカの福音書1章26節~38節を引用し、クリスマスメッセージを伝えた。 万代氏はクリスマスについて「平たく訳すと『キリスト祭り』。クリスマスの本当の主人公はイエス・キリストであり、その誕生を祝う祭りが世界中に広がっています。このクリスマスには、もっとも楽しいもの、もっとも喜ばしいものを受け入れてほしいです。人の心に作用する、心の内側から沸き上がってくる魂のメリエスト(merriest)な喜びが皆さんにありますように」と祝福のメッセージを伝えた。
先の衆議院議員選挙については、「ついこの間選挙がありました。日本の将来のために指導者たちを選ばないといけない選挙でしたが、投票率は戦後最低でした。今までの衆院選挙の中で一番低い投票率。選ぶことを放棄してしまった人が多くいました。政党がやたらと多く出てしまい、違いがよくわからなくて、焦点がぼけてしまったのではないでしょうか。本当は、私たちはしっかり指導者を選ばないといけません。(政党の違いが)わからないというだけでなく、わかろうとしないといけないと思います」と述べた。
自分の主張だけでなく、感謝する心を
また感謝することの必要について、「自分の好きなことをして、自分の主張することを大事にしたいのであれば、もっと真剣に指導者を選ばなければなりません。自分がしたいということを訴えるだけではなく、自分は生かされている、支えられている、(神に)選ばれている、自分が何をしたいかを主張するのではなく、放っておいても『そこにあるもの』を素直に受け止めることが必要ではないでしょうか。最近の私たちは自己主張ばかり、自分のわがままなことを言い放つのは好きですが、自分が愛されていて、守られていて、命が与えられていることへの感謝がないのではないでしょうか。感謝を忘れてしまうのは残念なことです。クリスマスのテーマのひとつは、『自分の力』ではどうしようもないことに対して、神様が私たちを助けてくださるために、命を与えてくださった神様が、私たちの命を軌道修正するために、救い主を(この地に)送って下さったということです。『あなたの存在』は、誰がどのように言おうと、あなたに命を与えてくださった神様が選んでくださっておられます。あなたがしたいことがただ実現し、あなたのやりたいことが人に受け入れられることだけでなく、素直に『生かされている、守られている』という事実に気づくことが必要です」と述べた。
マリアへの受胎告知について万代氏は「天使ガブリエルによって、『神の聖霊によってあなたは身ごもっている』と告げられました。神にとって不可能なことはひとつもありません。マリアは『そのお言葉のとおりこの身になりますように(ルカ1・38)』と受け入れました。そして止まる宿もないところにイエスが産み落とされました。天の御使いたちが、『今日あなたがたのために、救い主がお生まれになりました(ルカ2・11)』と喜びの知らせを告げました。東方の三博士が不思議な光を頼りにして、イエス・キリストに出会いました」と説明した。
イエスの誕生を祝うクリスマスには、今も作用する不思議な力がある
イエスの生誕から2000年が経過した現在でもクリスマスが世界中で祝われ続けている理由について万代氏は、「お祭りとして盛大になり華やかになったから、単なる伝統文化で祝われているのではありません。イエス様の誕生は単なる2000年前の出来事で終わったのではなく、今も私たち生きている人たちに作用する不思議な力を持ち続けています。イエス・キリストという御名を心で受け止め、告白すると、不思議な作用が、私たちの心、命の中に生じます。それが2000年経っても続いているから、人々は今なおイエス様の誕生を祝い続けているのです」と説明した。
命が新しくされることについて万代氏はノーベル医学賞を受賞した山中伸弥氏の「iPS
細胞」に例えて説明した。万代氏は「私たちの身体の細胞がぼろぼろになったら、再生しないものがあります。網膜に障害があると、光を失ったら二度と見えなくなってしまいます。手足の麻痺が残ってそのままの状態になってしまったり、心筋が何カ所か死んだままの状態になってしまいます。このような状態に対してiPS細胞はものすごい可能性を秘めています。自分の身体から作られた細胞でありながら、再生することができないと思われた細胞を初期化して、もう一度新しくすることができます。自分の身体の新しい細胞によって移植することで、二度と再生することのなかった細胞が生まれてきて、麻痺していたものが、若々しい細胞でよみがえる可能性があります。死んでしまったはずの細胞が、iPS細胞によって、生き返ってくる可能性があります」と説明した。
その上でイエス・キリストの命が人間の心を新しくする役割をしていることについて、「イエス様は多くの人を罪から救う存在となられました。イエス様の存在を受け入れると、その人の中に生き返ってくるものが生じてきます」と説いた。
人間の幸せについて万代氏は、「人間の幸せは本当に複雑です。健康で100歳まで生きたら幸せなのでしょうか。幸せを感じるのは、心や魂の部分です。長く生きるほど、汚れ初め、ひねくれ、ねじれてしまって、すっかり汚くなって、幸せを感じることができなくなってしまいます。愛する、人と喜びを分かち合うということが、美しいことであることは知っていても、あまりにもきれいすぎて、自分が語る柄ではないと思ってしまうようになります。愛、喜び、夢、信じるということを私たちの心がまっすぐ受け止められなくなってしまいます。人を憎むことで、どんどん愛がねじれ、憎しみから妬みや恨みが生じるようになってしまいます」と説いた。
一度汚れてしまった魂と心をきよめることについて、「誰かを憎み、絶対に許さないというのがあなたの心になっていないでしょうか。言葉としては愛を知っていても、我が事がいつも一番大切であり、心はどろどろに汚れてしまっている、そのままで良いのでしょうか?あなたの命は、神様が与えてくださいました。だからこそあなたという存在があります。ただやりたいように、好きなように選んで自分の思いを押しつけて生きるわがままな生き方だけでは、絶対に心がずれていきます。軌道修正が絶対に必要になります」と説いた。
命の汚れを取り除くワクチンとは?
万代氏は「命の与え主であられる神様は、命の汚れを取り除くためのワクチンを用意してくださいました。私たちの力では元には戻せません。私たちの心のありかたを、もう一度、きれいにできるように、ちょうどiPS細胞がもう一度細胞を新しくできるように、神が命を新しくされるのです。この方を受け入れるなら、その命が私たちの心の中に根差して、新たな命が心の中に成長し始めます。これを新生といいます。命の与え主であられる神様と向き合うことで心がきれいになります」と説いた。
また心の汚れについて万代氏は「原子力発電所の事故で放射能の怖さを知りました。しかし原発よりも恐ろしいものをあなたは内側に抱え込んでいませんか?『憎しみ』をずっと心に抱え込んでいることは、原発があることよりももっと深く、自分の人生をそこから腐らせ、破壊させる毒や爆弾を抱え込んでいることと同じです。『もう人なんて信じない。疑うことにした。憎むことにした』―あなたの心の中にそのような憎しみが蓄えられていて、そこから心が病んでくるようになります。一生懸命頑張っているのに、何をしても幸せになれないどろどろの心になってしまいます」と注意した。
古いものは過ぎ去り、すべては新しくなる
万代氏は汚れた心の状態について「人の優しさや真心に素直に感動することができません。そんな巻き戻しが効かない、あなたの心の中に、『移植』すべき神様から発せられたきれいな命があります。誰でもこの名を受け入れることで、その人は神の子供になることが出来ます。古いものは過ぎ去り、すべては新しくなります(Ⅱコリント5・17)。あなたの命が、内側から新しくなります。イエス様の誕生を2000年間祝い続けているのは、単なるお祭りとして残っているのではなく、その事実を毎年体験している人が続いているからです。そっとイエス様を信じて心に受け入れると、そこからあなたの心が新しく生まれて、憎む代わりに赦し、恨む代わりに愛することができるようになります。ふてくされる代わりに夢と希望をしっかり持つことができるようになります。あなたの心にもイエス様という御名が表す命が必要なのではないかと思います。あなたの命を新しくする神様からの命のワクチン、救い主の命が必要なのではありませんか?」と呼び掛けた。その後命が新しくされることを願う聴衆と共に、祈りが捧げられた。