世界教会協議会(WCC)エキュメニカル神学教育プログラムは8日、他関連組織と共にグローバル神学教育調査の立ち上げ準備が行われており、最終的にオンラインをベースにしたグローバルな神学研究機関のディレクトリーが完成する予定であると発表した。
同ディレクトリーの利用を通して、世界中の神学教育者の対話の促進、互いの研究の理解促進が期待されている。
既存のオンライン資料に加え、更に多くの研究資料がディレクトリーに追加される予定であるという。
4月29日、30日の両日にわたって、米マサチューセッツ州ボストンにある世界キリスト教研究センター(CSWC)で会合が行われ、グローバル神学教育調査に関する大きな進展がなされた。同調査はCSWCがシカゴにある多文化間神学教育機関およびWCCと共に提携しながら行っている。
同調査において、神学教育者、多種多様のキリスト教諸教派の神学機関の代表者、および世界中の多様な文化背景の下にある神学研究者らが、それぞれの神学研究のトレンドや課題、研究への外部からのアクセスの許容範囲、それぞれの神学教育の今後の外観などについてのアンケート調査に協力している。
調査対象となっている機関は、神学校、神学大学、大学の神学部など世界各国の多様な神学教育機関にわたっており、中国語、韓国語、英語、フランス語、ロシア語、ルーマニア語で各国神学研究機関へアンケートがなされている。
WCCエキュメニカル神学教育プログラムコーディネーターのディートリッチ・ワーナー博士は、「1910年以来神学教育、宣教ミニストリー形成のためのトレンドを調査し情報を集めるプロジェクトが必要とされており、今回がその初めての体系的なリサーチプロジェクトとなりました」と述べている。同調査の結果は来年秋に韓国釜山で開催予定のWCC世界総会で発表される予定であるという。
ワーナー博士は「同プロジェクトのひとつの特徴は、オンラインベースの神学研究ディレクトリーの形成にあります。これは国際レベルで学術的な諸教派の神学教育、神学情報の交換に重大なインパクトを与えることになるでしょう」と述べている。
同プロジェクトは現在さらに提携機関や神学教育機関のアンケート調査協力者を募っており、より広範囲な神学研究データベースを集めようとしている。同ディレクトリーはオンライン上で展開される神学とエキュメニズムに関するグローバルデジタルライブラリー(GlobeTheoLib)およびワールド・クリスチャン・データベースからアクセス可能となる予定であるという。
同プロジェクトは各国の主要な神学者らから21世紀の世界キリスト教神学教育に強く必要とされるプロジェクトとなることが期待されている。同調査へは神学教育グローバル調査ホームページから参加できる(英語)。調査協力機関はGlobeTheoLibと来年度WCC総会におけるリサーチプロジェクトで発表予定の調査結果要旨の閲覧が可能になる予定であるという。