日本の教会が教派を超えて震災復興を祈る「東日本大震災3・11復興支援超教派一致祈祷会」が11日、東京都内で開かれ、福島県いわき市にある平キリスト福音教会(グローバル・ミッション・チャペル)牧師の森章氏が講演した。森氏は、「被災した皆さんには、喜べる材料が本当に少ない」と述べ、「神様の愛を知っていて、だから喜ぶことのできるクリスチャンが、国境を越えて、教派を超えてひとつになって愛を生きていくのなら、日本の復興は速度を上げていく」とキリスト者の一致を呼び掛けた。
この祈祷会は、2009年の日本プロテスタント宣教150周年記念大会の実行委員らが呼び掛け、毎月11日に開いている。この日も、淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏や大和カルバリーチャペル主任牧師の大川従道氏ら祈祷会の呼び掛け人をはじめ、教派を超えて教職や信徒ら約90人が集まった。
講演で森氏は、全能の神が放射能汚染から教会を守られると信じて震災直後からいわき市で支援活動を続け、汚染から実際に守られたことを報告し、全能の神に対する信仰を説いた。森氏は、「私たちが祈る前から必要を知っておられ、良いことを喜んで惜しみなくしてくださる主がそこにおられることを知っていたら、私たちはもっと喜びをもって祈ることができると思わされました」と語った。
また、すべての人に等しく注がれている神の愛の大きさを強調し、「『私はある』と言われた方が、私たちがいることを願われて、しかも神様のそばにいることを願われて招かれた」と説いた。森氏は、「私たちは全部に関わることはできない。神様が導いてくださる小さな一人の人のために全力を注いでいこう、それを確認し合ってきました」と拡大を続ける支援活動の歩みを振り返り、「私たちはただ神様を褒め称えるだけです」と語った。
森氏の教会には、これまでに33カ国から延べ1万人以上のボランティアが詰め掛け、炊き出しや生活物資の配給、瓦礫の撤去などの支援活動を行ってきた。また森氏は、津波による壊滅的な被害を受けたいわき市の薄磯地区の住民のために新しい町づくりを提案している。山を切り開いて土地を平らにする日本の従来の都市計画とは異なり、自然を壊さずに自然と共存する新しいスタイルの復興計画案だ。森氏は、「少なくとも、私たちは薄磯地区250軒の皆さんのために、自分はどうなってもいいので神様に町を建ててほしい」と語り、「津波でだめになった地域に立って言葉がなかったとき、私は神様が語ってくださったように思いました。『今がチャンスだ。荒れ果てた町々を人の住むところにするチャンスだ』。私たちはそれを神様からの言葉と受け止め、ビジョンをもって信仰をもって進んでいるところです」と述べた。
最後に森氏は、「東北は忘れられてはなりません。福島は忘れられてはなりません」と訴え、「私たちはひとつ。どこの誰かでなくて、神様に愛されているひとつの国に住まわされているひとつの群れとして、新しい気持ちでイエス様を信じていきたい」と語った。
参加者は、薄磯地区の住民のために早期に町が建てられるよう祈った。また、復興作業の早期進展などの具体的な祈祷課題を挙げ、被災地復興のために祈りをささげた。
次回の祈祷会は、2月11日(土)午後4時半から東京都新宿区百人町1ー17ー8の淀橋教会で開かれる。講師は、いわて教会ネットワーク事務局で北上聖書バプテスト教会牧師の佐々木真輝氏。3月11日は米国「クリスチャニティ・トゥデイ」誌編集顧問のフィリップ・ヤンシー氏と福島第一聖書バプテスト教会牧師の佐藤彰氏の講演を予定している。