この聖会は、関西の牧師らが中心となり、何よりも聖書の御言葉によって地元のキリスト者が養われる聖会を開きたいと昨年11月に初めて開催した。講師のウィルモア氏は、日本ケズィック・コンベンションの名講師、故スティーブン・オルフォード氏から指導を受け、講解説教者として世界的に活躍している。昨年の聖書聖会でも主講師を務めた。
ウィルモア氏は、ヨシュア記7章1節から21節について「特出すべき霊的失敗について書かれている」と強調し、キリスト者の霊的失敗の原因を3つ挙げた。
第1の原因は、ヨシュアが自分により頼んだこと、つまり自己依存だ。2節でヨシュアはアイに人を遣わした。ウィルモア氏は、「(エリコの占領で)ヨシュアは神のおっしゃることに耳を傾けていた。しかし、ここでは自分の軍隊のリーダーの声に耳を傾けている」と指摘し、「(アイとの戦いは)ヨシュアが計画し、実行していた。つまり、自分自身ですべてがコントロールできると考えていた」と説いた。
ウィルモア氏は、「私たちの人生の中でも、神により頼まなければならないことを忘れてしまうときがやってくる」と語り、「私たちはどれほど神がせよとおっしゃらないことをしてしまうでしょうか」と問い掛けた。
第2の霊的失敗の原因は、ヨシュアが自己を過信したことだ。ウィルモア氏は3節について、「(神に聞くことが)大きな戦いだけに必要とされるのではない。小さな戦いにも必要であり、すべての戦いに必要であることを語っている」と説いた。
第3の霊的失敗の原因は、自己中心だ。ウィルモア氏はアカンについて、自分自身の欲を満たすことを優先し、「自らの行動がどんな結果をもたらすかについて関心がなかった」と指摘した。
ウィルモア氏は、「自分により頼み、自己を過信し、自己中心になるとき、厳しい結果が伴う。それが霊的敗北」と語り、「神の御言葉への不従順は、いつもキリスト者に敗北をもたらす」と説いた。また、7節から続くヨシュアの祈りを引用し、「(神への不従順が)霊的な敗北、落胆、ついには疑いをもたらすようになった」と語った。
さらにヨシュアの敗北の結果として、「神がはずかしめられた」と指摘し、「あなたの行動は神に栄光を帰すような行動でしょうか」と問い掛けた。加えて10節から「(ヨシュアの)祈りが妨げられていることがわかる」と説き、「心のうちに罪を持っているなら、神との交わりが妨げられ、祈りが聞き届けられない」と指摘した。
一方でウィルモア氏は、10節から21節について「(霊的敗北から)どのように回復することができるのか、4つの対処法が記されている」と説いた。特にアカンの罪がイスラエルに大きな敗北をもたらしたことを強調し、「(アカンの罪こそ)今対処しなければなりません。神の前で今隠そうとしている罪はないでしょうか。それが霊的敗北の基礎をつくっている」と指摘した。
霊的敗北への第1の対処としてウィルモア氏は、「罪の自覚がなければならない」と語り、「霊的敗北からの回復は、罪をしっかり認識し、認めることから始まる」と説いた。
第2の対処は、聖別すること。ウィルモア氏は、「霊的敗北から勝利に移ることを願うならば、罪を自覚し、切り離していかなければならない」と説いた。
第3の対処は、神の御言葉に服従することだ。ウィルモア氏は15節を引用し、「神が罪に対してどれほど大きな怒りをいだいておられるか」と説き、「正しく神に向き直りたいと願うならば、神がせよとおっしゃったことをそのまま行わなければならない」と語った。
第4の対処は、告白すること。ウィルモア氏は、アカンが自分の犯した罪を詳しく述べたことを強調し、「告白は、犯した罪の内容を詳しく話さなければならない」と説いた。
また、アカンが「見て、欲しくなって」(21節)と告白したことから「誘惑はまず目から入ってきて心にいたった」と説き、「これこそ、私たちが経験することではないか」と問い掛けた。さらに、アカンが罪を隠したにもかかわらず、神がすべてを知っていたことを強調し、「神はあなたが犯したその罪をご存知です」と迫った。
最後にウィルモア氏は、ヨハネの手紙一1章9節を引用し、「これこそ回復の方程式。もし自分の罪を言い表すなら、神はその罪を赦し、すべての罪から清めてくださる」と力を込めた。
聖会は3日間の日程で行われる。12日は午前10時半と午後2時の2回、13日は午後3時に集会がある。会場は、大阪府八尾市東山本新町1-15のグレース宣教会・グレース大聖堂で、近鉄河内山本駅から徒歩約10分。問い合わせは、聖書聖会事務局(072・997・4838)。