【CJC=東京】世界的なメディア・グループ「ニューズ・コーポレーション」系列の出版社「ハーパーコリンズ」社が、キリスト教出版の「トーマス・ネルソン」社を買収することで合意に達した。買収額は明らかにされていない。ハーパーコリンズ社は、聖書出版で知られる「ゾンダーバン」社の親会社。これでハーパーコリンズ社が米宗教関係では最大手となる。
ハーパーコリンズ社のブライアン・マレー社長兼CEOは報道発表で、トーマス・ネルソン社の「書籍、聖書、電子書籍、雑誌、AV、カリキュラム、電子ソフト」を買収に当たって評価した、と述べている。同社のこれまでのミッションに基づく出版企画にトーマス・ネルソン社が加われば、さらにバランスのとれたものとなる、という。
ハーパーコリンズ社の親会社ニューズ・コーポレーション社は英国で電話盗聴事件を引き起こしている。ゾンダーバン社関係の執筆者の中には、英語聖書ではベストセラーのNIVを出版している同社が、倫理的な問題を引き起こした企業の下に入ることに疑問を投げ掛ける人もいる。
米出版専門誌『パブリッシャーズ・ウイークリー』によると、ハーパーコリンズ社は年内買収を望んでいる。その後に両社が独自に出版活動を行なうのか、は明らかにされていない。