【CJC=東京】カトリック宣教団体「キリスト軍団」が運営する専門通信『ZENIT』の各国語版編集者6人が10月7日辞任した。通信の方向を軍団の意向に沿わせようとしたことに反発、「協働に成果を上げてきた後に、組織への従属強化を図ろうとする軍団の意向には同意出来ない」とニュース受信者に伝えた。「ZENIT通信の本質的な狙いは、特定の集団の通信にすることでは決してなく、むしろ普遍教会のためのものだった。この精神でわたしたちは活動してきたのであり、それを裏切るわけには行かない」と言う。
辞任したのは、仏語版、イタリア語版、スペイン語版、英語版、ポルトガル語版、アラビア語版の編集者。独語版編集者は空席だった。
同通信のアルベルト・ラミレズ代表は11日、イタリアのジャーナリスト、アントニオ・ガスパリ氏を新たに編集コーディネーターに任命した。
ガスパリ氏は1955年生まれ。バチカン記者として、『ラッヴェニレ』『テンピ』などの各紙に寄稿するなどのベテラン。ZENIT通信にも寄稿している。環境問題にも取り組んでいる。今回の任命を誇りとして感動している、として「日刊サービスは、教会生活の中での真、善、美を発見し書くことに努める」と語った。
同通信は1997年、ジェスス・コリナ氏が創刊、教会からの認知を得るため、キリスト軍団に霊的アドバイザーとなるよう求めた。それから14年間、運営は軍団からは独立して進められていた。同通信は7言語で発行され、日刊サービスの読者は約45万人。
今年に入って、コリナ氏に軍団側は通信の方針変更の意図を通告、同氏の辞任を求めた。同氏は9月27日に辞任している。コリナ氏は、軍団との間で編集・財務両面で相互信頼と透明性がなくなり、通信の将来の方向について基本的に意見が対立した、と述べていた。
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