国際基督教大学(ICU)は、08年4月から教養学部の6学科を廃止して新たな体制をとる。現在は入学前に所属する6学科を選択する必要があるが、改編後は入学前に選択せず、入学後(2年次まで)に約30の中から自分のメジャー(専攻分野)を選択する。教養学部全体で620人という入学定員の合計は変わらない。
同大は国内唯一の本格的リベラルアーツ大学として、教養学部一学部制をとり、学問分野間の境界を超えた知識の探求を標榜し、日本の高等教育界をリードしてきた。しかし、「指導的な立場を維持し、次代を担う若者に21世紀の挑戦に立ち向かう力を与え続けるためには、現状にとどまっていることは許されない」と今回の改革に踏み切った。
同大では、これまでにも生徒が学科を超えたさまざまな分野の学問を身につけられるような取り組みを進めていた。しかし、今回の改革で入学前に専攻分野を確定しておく必要がなくなり、「特定領域の専修を早めに固めず、メジャーの選択にゆとりを持たせる」というリベラルアーツの特性をさらに引き出すかたちとなった。
同大は1949年、日本と北米のキリスト教界の指導者らによって超教派のキリスト教大学として正式に創立。以来、大学の3つの使命として、国際性への使命( I )、キリスト教への使命(C)および学問への使命(U)の3つを掲げ、その実現に努めてきた。
また同時に、開学以来一貫してリベラルアーツ教育を旗印に掲げ、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」の採択(03年)や、米国リベラル教育学会のプログラムの認証(05年)など、その取り組みは国内外で高く評価されている。ベネッセ教育総研による「全国大学満足度調査」では、97年、01年、04年の3回連続で総合満足度第1位となっている。