ブッシュ米大統領は2日夜(日本時間3日午前)に行った一般教書演説で、「急進主義と殺人のイデオロギーをはびこらせる環境の根絶によってのみ、平和は達成される。圧政とテロを阻止できるのは、人間の自由の力だけだ」と宣言し、自由と民主主義を世界に広める意向を強調した。政策に対する反応は政党間で差がある一方、米国内の福音主義キリスト教徒や家庭保護団体には好感が広まった。
「自由の拡大」を通じて、世界に平和と民主主義の定着を図る姿勢を示したブッシュに対し、キリスト教信仰に基づく家庭保護団体『フォーカス・オン・ザ・ファミリー』のジェームス・ドブソン会長は「今日の重要な課題に対して明確に、確信に満ちた語り口で自らの姿勢を示した」と評価した。
また、結婚制度を守る(同性結婚を禁止する)ための憲法修正、生命倫理の保護、女性の人権を守る教育プログラムの導入等を約束したことも、キリスト教徒からの広範な支持を得た要因となった。ブッシュは演説の中で「婚姻は神聖な制度であり、社会の基盤。結婚の定義が活動家たちによって変えられるようなことがあってはならない。我々の家族、子孫、そして社会のために、結婚制度を守るための憲法修正を支持する」(共同)と述べた。
また、ヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究は「必要」とした上で、「人間の命を商品として売り買いするようなことは決して認めない」(同)とこれまでの立場を強調した。