ブラックゴスペルの日本開拓者、ラニー・ラッカーの初ソロアルバム「上を向いて歩こう・・・Look Up!」の発売を記念して22日、調布南キリスト教会(東京都調布市)でラニーによるスペシャルコンサートが開催された。
ラニーのソウルフルな歌声と見事なピアノ弾き語りに、100人近く集まった会場いっぱいの観客は披露される1曲1曲が終わるたびに大きな歓声や拍手を送った。またアルバム収録曲だけでなく、ジーザスという名の友を歌ったキャロル・キングの「You’ve Got A Friend」や讃美歌「It Is Well With My Soul〜やすけさは川のごとく」などのラニーアレンジにはオリジナルとは一味違った味わいが感じられた。また終盤には観客との掛け合いもあり、いつものクワイアディレクターらしいスタイルで観客を楽しませてくれた。そして最後の曲「彼の愛」は、「知ってほしい、イエスキリストを」というシンプルなメッセージだが、その中にはラニーが人生の中で重ねてきた人々に対する切ない想いとキリストの愛があまりにも強烈に、また鮮明に映し出され感動を呼ぶ作品だ。会場のみなが彼の歌声に聴き入り、またたく間にその空間は神の愛でひとつとなった。
コンサート終了後にこれからの予定について尋ねると、ラニーは、「予定なんてわからないよ。ただ神さまに従うだけさ」と一言。常にクワイアとしてのスタンスを取ってきたラニーについに開かれたソロという、一対一で神と向き合う新しい世界での活躍に今後の期待が膨らむ。