容疑者も含め33人が犠牲となった米国史上最悪の銃乱射事件が発生して以来、初めての主日礼拝が全米各地でささげられた。遺族や被害者への支援も続けられる中、事件後初めて迎える主日では、全米中の教会が事件のための祈りを呼びかけた。
ビリー・グラハム伝道協会代表のフランクリン・グラハム師は声明で、「この主日は、全米すべての教会が犠牲者の家族、学生たち、大学の教員・運営陣、捜査を行なっている警察官たちのために祈ることを願う」と事件によって傷を受けた人々と、事件の捜査にあたっている人々のために祈るように求めた。また、「これはあまりにも大きな痛みであり、彼らには我々の祈りが必要だ」と悲惨な事件に対する悲しみを伝えた。
青年宣教の専門家として著名な国際青年宣教団体「Dare 2 Share」のレーン・パーマ氏は、事件後初めての主日礼拝を迎えて、「この主日礼拝は全国規模での犠牲者追悼のための礼拝となるであろう」と述べ、多くの牧師が何らかの形でこの事件について触れるであろうと語った。
メッセージの中でこの難しい問題をどのように取り扱うべきか、その答えは簡単には見つけることはできない。しかしパーマ氏は、「最悪の銃撃事件の影が残る中であっても神がその大きな奇跡の御業を起こしてくださることを強調すべきではないか」と述べた。
またパーマ氏は、この期間に人々が最も重要な「いのち」の問題について深く考えるはずであり、「キリストを救い主として信頼する者に約束された永遠のいのち」という、人生の希望について分かち合うべきではないかと語った。
一方、事件発生後1週間が経過し、多くの人々は当然ともいえる一つの疑問にぶつかっている。「神はおられるのか」「なぜ、神はこのような事件を許されたのか」と、実に18歳から76歳までの33人の尊い命が奪われた事件を目の当たりにして、多くの人がその答えを求めてる。
バージニア工科大学で活動する大学宣教団体「インターバーシティ」のウェス・バート氏は、「まるで、ブラックスバーグのキャンパスが真っ黒な雲で覆われてしまったように感じるかも知れない。しかし、神はおられるのだ」と、辛い現実にぶつかりながらも神の存在を主張した。
グラハム師は「人々はいつも神のせいにする」と指摘し、「神の愛はすべての人にのぞむものだが、それは悪い出来事が一切起こらないことを意味するのではない」と説明した。また、「我々はすべての人が死に、すべての人がいつの日か神の御前に立つのだ」「バージニア工科大学での悲劇は、すべての人に人生のはかなさを教えてくれ、神の御前に立つ準備ができているのかと質問を投げかている」と語った。