各国クリスチャンが聖書を朗読する「聖書朗読マラソン」が、今年も日本をはじめ世界各国で展開される。クリスチャンたちが母国語で記録された神の御言葉を読み、世界をつなぐ。
米団体「バイブル・パスウェイ・ミニストリーズ(Bible Pathway Ministries)が主催するこの福音主義的一大イベントは、東欧の共産圏諸国の政府が相次いで没落した1990年1月、イスラエルのオリーブ山で一群のクリスチャンたちが旧約聖書「創世記1章」から読み始めたことを発端としている。当時、0時0分に朗読が開始されると、30分間隔で日本、フランス、オランダ、米国のクリスチャンが参加して聖書を朗読した。聖書朗読の回帰に対する切迫した必要性を地球村各地の人々が再確認する助けとなることを目的としており、現在、カナダ、イギリス、ドイツ、インド、ハンガリー、メキシコ、ナイジェリア、ニュージーランド、ペルー、スウェーデン、ロシアを含む全世界で行われる。
同ミニストリーズの創立者ジョン・ハッシュ博士は、聖書に対する「霊的無知」が米国内に拡大していることを憂慮している。同博士によれば、世界を取り巻く無神論的精神が聖書知識の乏しさという土壌に深々と根付いており、人間は被造物に対する創造主の願いを見失っているという。ハッシュ博士は人々に聖書朗読の重要性を再認識させようと、世界中の国々が参加する一大行事の開催を決心した。
ハッシュ博士は故ビル・ブライト博士(キャンパス・クルセード・フォー・クライスト創設者)らと国際聖書朗読連盟(IBRA)を発足。同連盟はジョージ・W・ブッシュ米大統領に「聖書朗読の十年」宣言を提案し、世界各国から朗読マラソンの参加者として10億人を指名した。同宣言は、米政府が人々に聖書の通読を呼びかける米史上初で唯一の宣言だ。
現在、聖書朗読マラソンは全米各地で開催される伝統行事としての地位を確保した。毎年クリスチャンは80時間以上続く聖書朗読のために米ワシントンの連邦議会前に集合する。「祈りの日(National Day of Prayer)」にあわせて開催され、今年は5月5日。今回は特に中南米(ヒスパニック)系共同体に聖書を読む自由が広がるよう祈る。(バイブル・パスウェイ・ミニストリーズ)