2日にあったローザンヌ・エコー集会で講演したローザンヌ委員会のダグ・バーゼル新総裁は、今年9月にタイ・パタヤで開催された「世界伝道フォーラム2004」の報告とあわせて、90年代から勢いを失っていたといわれる同委の再出発を強調し、「聖書学、宣教に成熟した日本の教会」の指導力に期待感を示した。フォーラムでは同委の新体制が決定し、バーゼル氏(海外宣教連絡協力会=JOMA=元副会長)のほか、山森鉄直氏(国際飢餓対策機構元総裁)の国際総主事就任が決まった。複数の関係者によると、フォーラムには日本の諸団体から29人が参加。このうち3人がこの日の集会に出席し、参加した分科会の報告を行った。
バーゼル氏は、話の中で、ローザンヌ委は「既存の組織・機構を結び、分かち合うネットワーク」と説明し、今後の課題として?他宗教国・文化での福音伝播、?HIV対策、?若年層の伝道、?異国の宣教団体の相互理解と協力、?平和実現での福音の独自性の保持、?移民(ディアスポラ)の伝道---を挙げた。また、同委は、2006年にタイ・バンコクで25歳から35歳までのクリスチャン指導者が集まる国際集会を、2010年に第3回ローザンヌ世界宣教会議とAIDS問題についての会議を開催する予定があることを明かした。宣教会議は、1910年のエディンバラ会議から100年目にあたる。バーゼル氏は第3回の宣教会議について、欧米からの参加が主だったエディンバラ会議と比較し、参加国は世界の諸地域に及び、内容も世界規模での宣教課題について広く話し合われるはずと語った。
会場の「日本に何を期待するか」との質問に対し、「神学」「戦略」など5つの継続委員会への参加を強く求め、「人材を多く派遣して世界宣教に積極的に関わっていってほしい」と呼びかけた。