お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)チャペルで12日、「国のために祈る夕べ」が同実行委主催で開かれ、三森春生氏(全日本宣教祈祷運動運営委員長、インマヌエル王子キリスト教会牧師)が「預言者の使命」と題してメッセージを語った。開発途上国への援助をするクリスチャンの団体ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ、東京都新宿区)の片山信彦常務理事、クリスチャン新聞の根田祥一編集長が、講師として祈りのアピールをした。2001年から毎年開催されているこの集いは、今年で4度目。15日の終戦記念日に近づけてこの日開催となった。
三森氏は、まず、祈りの集いに毎年理解が深まっていると評価した。戦時中後の体験を振り返り、「一人の国民として、クリスチャンとして、この国の戦争に加担した一人だった。終戦でほっとした。戦争にはもう行きたくない」と切実に語った。終戦後に維持された天皇制や国歌の問題に触れ、「歌詞や国歌の存在が悪いのではなく、日本の自ら進んで悔い改めない文化や性格が表れている」と指摘。
旧約聖書エゼキエル3章16〜21節から、エゼキエルの時代のエゼキエルの立場と、戦時中や今日のクリスチャンの立場を対比させ、「預言者を通して、神は語りかけた。すべての人は、神のことばを語る使命がある。語り続けるべきことばを頂いているはず」と強調。悔い改めを必要としている日本で、クリスチャンたちが、預言者として福音的な警告と解放の預言を与えていくべきだと語った。
片山氏は、環境、貧困、南北格差等の問題を取り上げながら、イエス・キリストの愛で他者を省み世界の和解と平和を求めて日本が積極的に取り組むことが日本の課題だとした。特に、物資や資金だけの補助ではなく、共に生きる世界の喜びと希望をもたらす国になって欲しいと話した。
根田氏は、教師や生徒から報告される教育現場での「国旗掲揚、国歌斉唱の強制」について説明し、これと合わせて憲法「改正」に見られる日本の動向を「危険な動き」として注意を払うよう呼び掛けた。「歴史を振り返り、耳を傾けて、今なすべきことのために祈っていきたい」と語った。