世界の教会やキリスト教団体の代表、地域教会の代表ら600人以上が参加する今世紀最初の世界宣教伝道会議の開催まで1ヵ月をきった。世界教会協議会(WCC)が主催する同会議は、エルサレムを出発した長さ4メートルの木製十字架が会場近くの浜辺に到着すると同時に開幕する。主題「来てください、聖霊よ、癒し、和解させてください(Come, Holy Spirit, heal and reconcile)」と副題「共同体の和解と癒しのためにキリストに召されて(Called in Christ to be reconciling and healing communities)」のもと、来月10日よりギリシャのアテネ郊外にあるアギオス・アンドレアス・レクリエイショナルセンターを会場に開催される。
21世紀最初の開催という点で世界中のクリスチャンから関心が寄せられている。司会進行を務める英国バプテスト教会のルツ・ボトムス牧師は「国際化とともに分断された世界は今日、多くの分裂と葛藤を経験している。癒しと和解の福音が必要とされている」と話す。
WCC加盟教会、ローマ・カトリック教会、ペンテコステ教会、福音派教会から集まる参加者には、宣教の最前線で働く青年や成人男女、教会や宣教団体の代表、神学者や研究者が含まれている。WCCは「全土から集まるクリスチャンのために、証しと宣教報告、宣教の未来についての語らいの場を前例に無いほど壮大なスケールで提供したい」と意気込みを語る。
期間中のすべてのセッションは主題と副題の中心的要素(?和解、?癒し、?聖霊、?キリストの共同体)に焦点を合わせる。このうち1セクションは宣教と暴力との複雑な関係性を扱う。これはWCCが2001〜2010年進行する「すべての暴力を克服する10年」キャンペーンに符合するかたちだ。
セッションとは別に、70のワークショップが行われ、参加者に多様な課題に触れ、宣教の観点から議論する機会を提供する。テーマには、多次元的な癒しの展開、戦争と対立にある社会における宣教、女性の宣教における役割、癒しの過程における関係性、救いと改宗、HIV・エイズ感染者による宣教チャレンジ、土着化した民族の和解と癒しの招き などがある。
会議に先立って、参加者の10分の1を占める青年奉仕者によるプログラムが5日間の日程で組まれている。エキュメニズムに関する学習、地域教会訪問などがプログラムに含まれる。
ケーススタディでは、ルワンダ・ジェノサイド(大量虐殺)、中国社会とキリスト教運動などといった問題について研究する。伝染病、暴力、圧政など特別な状況下に置かれた奉仕者のための相談室とケーススタディも行われる。
WCC幹部は「宣教史およびエキュメニカル運動史における大きな転換点となる」と話す。
会議はギリシャ教会の運営でギリシャ正教会優勢の地域で開催され、初の試みとして会議が世界に向けてインターネット中継される点でも特別だ。
WCCによれば、超教派の宣教伝道会議は1910以後、13回あった。1948年オランダ・アムステルダムで公式発足したWCCは、全世界120以上の国から総勢347団体が参加する連合体。現在はケニア出身のサムエル・コビア氏が総幹事。(ChristianPost.com)