時事通信によると、今月1日に首都バグダッドなどで起きたキリスト教会同時爆破テロの影響で、安全のためイラクを出国したキリスト教徒が4万人に上った。イラク暫定政府のワルダ移住問題相がアラブ圏紙アッシャルクアルアウサトに対して15日に明らかにしたもの。ワルダ氏は「テロが増えたことで、出国者の増加も深刻だ」と懸念を表明した。同時爆破テロでは少なくとも10人が死亡、50人が負傷した。イラクには総人口の約3%、100万人弱のキリスト教徒がいる。
キリスト教会を標的としたこのテロの後、世界教会協議会(WCC)のサムエル・コビア総幹事は「宗教的共同体を含む一般市民を暴力の標的とし、宗教対立を引き起こそうとする悪質な行為」と強く非難した。中東教会協議会(MECC)も「歴史と国家を共有するイラクのイスラム教徒とクリスチャンの間に亀裂をつくろうとする邪悪な行為だ」と述べ、特定の宗教信者を標的にしたことを糾弾した。