アメリカ・ニューヨークで始まった高校生専門の伝道団体「ハイビーエー(hi‐ba)」の日本で最初の現地人スタッフとなり、今では約900人の信徒が集まるグレース宣教会の代表牧師を務める堀内顕氏に、その牧会の秘訣と宣教精神を聞いた。
グレース宣教会は現在、近畿地方を中心に18もの会堂をもち、信徒数は約900人に上る。この40年間で教会は急成長を遂げた。
日本の伝道はなぜ難しいのかとの問いに、「クリスチャンが伝道しないこと」とはっきりと答える堀内氏は、一人ひとりが伝道できるように信徒をいつも訓練している。『無手勝流(むてかつりゅう)』と呼ばれる堀内氏の伝道スタイルがある。「たとえ伝道するためのすぐれた技術を持っていなくても、とにかくやってみればいい。ただし、イエスがキリストであること、贖罪の恵み、復活を伝えなければいけない」と信徒に伝え、伝道できるクリスチャンを育てている。
また「キリストの福音を伝える働きは協力してやらなければならない」という思いから、今では近畿地方にある500以上の教会が協力する近畿福音放送伝道協力会(大阪市中央区)を創設した。
教団や教派が分かれ、教会協力が難しい日本のキリスト教界の現状について、「みな神の家族。その中で教団、教派が分かれていることは、それぞれに個性があってよいこと」「しかし、いざというとき教会が協力しないことはとても悲しい」という。
堀内氏は、「クリスチャンは一人だけ孤立して信仰生活を送ることはできない。クリスチャンといえば、そこには愛する兄弟姉妹がいつもともにいる」と、『伝道』と『協力』が、健全な教会成長において必要不可欠であることを強調した。