財団法人日本聖書協会(東京・中央区)は今年、聖書事業功労者賞を「ギュツラフ訳ヨハネによる福音書」(現代訳と解説、2006年、日本聖書協会)の浜島敏氏(四国学院大名誉教授)に贈る。
同協会によると、ギュツラフ訳は、現存する最古の日本語聖書として知られ、初版原本は1837年に出版された。今年出版された同訳ヨハネによる福音書は、原本の復刻版に加えて、同氏による現代版と語句解説を収録した。
浜島氏は同書以外に、聖書翻訳研究会で「共同訳」聖書の固有名詞について発表するなど、聖書翻訳の研究分野で活躍し、聖書翻訳に関する著書、論文も多数手がけている。
浜島氏は1937年、愛知県出身。明治学院大文学部を卒業後、同大文学研究科で英語学、特に聖書翻訳を学んだ。1968年四国学院大に赴任し、2004年に同大を定年退職。現在、英国聖書協会、大英図書館、ロンドン大学、ヘブライ大学等で在外研究を行っている。著書に「主教訳聖書1568」(復刻および解説出版、1998、エルビス)、「神さまからの手紙」、「聖書に命をかけた人々」(ともに2001年、ヨルダン社)、「英語聖書翻訳史」(四国学院研究叢書、No3、2003年、創言社)、「ギュツラフ訳ヨハネによる福音書」等がある。