「花たちの使命は、命の限りに咲くということにある」――作家、三浦綾子さんのメッセージと、彼女が生前こよなく愛した北海道・美瑛の四季折々の風景で綴る「三浦綾子文学カレンダー」が15日に発売された。
息を呑むような美瑛の大自然を撮影するのは、風景写真家の阿部俊一さん。四季折々に、訪れる者を驚きと感動に導く美瑛の大地。綾子さんと夫・光世さんの2人が、こよなく愛した風景だ。
監修は、長年、綾子さんの著作活動をそばで支え続けた夫の三浦光世さん。「おとなって、つまり個室をもっていることだと思うの。心の中に。」(12月より)監修のセンスが光る。
今回カレンダー製作に協力した「三浦綾子記念文学館」(北海道・旭川市)は、そんな光世さんが館長を務めている。ここでは、「ひとはどのように生きたらいいのか」という深い問いかけに貫かれた三浦綾子さんの文学世界をわかりやすく紹介しようと、『ひかりと愛といのち』をメイン・テーマに様々な展示を行っている。
中でも第三展示室「『氷点』の世界」では、「氷点ブーム」という社会現象まで生み出した、綾子さんの代表作『氷点』について、発表に至るまでの経過、執筆過程、氷点ブームと時代背景、映像化の推移など、多面的な内容が楽しめる。また、テーマ原稿、下書き原稿、応募原稿・新聞連載用原稿も展示されており、『氷点』が世に出るまでの作者の創作過程を見ることができる。
今年冬にテレビ朝日系スペシャルドラマ「氷点」が放送されるだけに、カレンダー、記念文学館ともに、新たなブームとして再び注目が集まりそうだ。「三浦綾子文学カレンダー」に関する問い合わせは、(株)アド・ビューロー岩泉・企画室(電話:011・727・6001)まで。