環境破壊の進む現代社会の中で、自然と人間とのよりよい関係を求めようと、神戸学生青年センター(飛田雄一館長)主催のセミナー「農塾2005秋」が7日、同センターで開講された。
今期の開講式を兼ねた同セミナーでは、日本有機農学学会会長で神戸大学名誉教授の保田茂氏を講師として招いた。保田氏は、日本の食生活、人口推移など様々な環境の急激な変化などを具体的な資料で説明し、今の農業が抱えている問題を解説した。講座は毎年行われており、今回で10年目、13期を迎えた。
保田氏はコウノトリ野生復帰推進連絡協議会の委員長も務めており、農薬の大量使用によって野生のコウノトリが激変したことに言及して有機農業の必要性を訴え、有機農業の実践講座を紹介した。
参加者からは「農業の奥深さを知った」「農民の大変さを学んだ」などと感想が寄せられた。今回若者の参加は少なかったが、飛田館長は「このような食品公害の学習を通して、今日を生きる若者を誠実で健全な生の探求へと導いていけたら」と話した。
神戸学生青年センターはアメリカ南長老教会と日本基督教団が1972年に設立。「平和・人権・環境・アジア」をキーワードとして掲げ、若者から年配の人まで幅広い層を対象とした様々な社会活動を行っている。