ハワイ在住、脳性麻痺のクリスチャン画家、浅井力也さんの近作絵画展が4月2日から4月9日まで、教文館書店(東京・中央区)の4階であった。教文館側の緊急の申し出にもかかわらず、準備の段階から浅井さん本人と母の三和子さんも会場の設置に協力した。
同氏は1984年12月15日、東京生まれ。分娩時のアクシデントで脳性麻痺と診断を受ける。4歳でハワイに移住し、この頃より絵を描き始めた。6歳で作品「二羽のピジョン」がハワイ美術院展に入選。8歳でホノルルで初の個展を開いたあと、日本を含むアジア諸地域で個展を開いた。
浅井さんが歩んできた道は平坦ではなかった。さまざまな苦痛を経験する浅井さんのそばには、いつも母、三和子さんの姿があった。
「私にはめそめそ泣いている暇なんてない。母である私が不自由な力也の手となり足となり口となればいい。それに力也がたとえ話せなくても歩けなくても、それは彼の個性であって、彼に与えられたすばらしい部分が生かされ、彼にしかできないことがあると信じている」
関係者は「浅井さんは絵の才能はもちろんのこと、いつも周囲に配慮して、近くにいる人を素直にさせる能力がある」と話す。
浅井さんの作品からは、強烈な色彩から溢れる生きたエネルギーが感じられるという。