【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)信徒評議会は、『国際カトリック報道連合』(UCIP)の運営に問題があるとして、教会法に基づく「カトリック団体」としての認可を取り消した。
同評議会議長のスタニスワフ・リュウコ枢機卿と局長ヨーゼフ・クレメンス司教は3月23日、UCIPのバーンハルト・サスマン会長に、バチカンの懸念を書簡で伝えた。そのコピーは25日に会員にも送られた。
リュウコ枢機卿らの書簡は、信徒評議会が広報評議会と国務省と協議の上で、「認可命令」を取り消し、「今後、UCIPはカトリックという名称を外せ」と命令したもの。
同評議会のグスマン・カリキリィ次長は米CNS通信に4月20日、評議会の決定は、信仰や倫理に関する問題としてではなく、会員の権利や上層部の活動があいまいにされているためだ、として、「UCIPは機能不全の期間が長過ぎた。カトリック・ジャーナリストや関係組織の脱退が相次いでいる」と語った。
信徒評議会は書簡で、2010年にブルキナファソで開いたUCIP世界大会と総会に1000人が出席したとの報告を受けたが、「投票権のあるメンバーは僅か14人」で委任状を提出したのも24人しかいなかったことは知らせて来なかった、と指摘している。
書簡はさらに、UCIP執行部6人の中で2人が総会に出席しただけで、しかも議長は欠席したので、運営はヨーゼフ・カルスタス=チッティラッピリ書記長が行った、と指摘している。
ブルキナファソでの集会を、UCIPがメンバーに対して責任を果たす場とするように、さらにUCIPただ1人の有給スタッフで、しかも15年にわたって在任しているカルスタス=チッティラッピリ書記長の交代も評議会が求めていたのに、当の書記長が大会運営の責任者となったことで「懸念が大きくなった」と、書簡は指摘している。
「UCIPが書記長の手中に完全にあることは明白だ。書記長がその職に留まろうとしていることを、さまざまな事実が示している。透明性とコミュニケーションを欠き、偏向し誤った情報によって書記長はUCIPの組織的生命をほしいままにした」と言う。
UCIPのサスマン会長は20日、旅行先のスペインで、イースター後に詳細な声明を発表する、とCNS通信に語った。信徒評議会の行動は「不快な誤報と虚偽」に基づいている、と言う。
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