世界福音同盟(WEA)は1月28日、WEAウェブサイト上においてローザンヌ運動による「ケープタウン決意表明(コミットメント)」の全文を発表した。決意表明は枠組みおよび概要を記述する序文、信仰の姿勢を表明する第1部および世界に仕えるための決意表明をする第2部および結論で構成されている。WEA総主事のジェフ・タニクリフ氏はこの決意表明の中に隠されたこれからの世代の宣教のためのはかり知れないポテンシャルについて言及した。
ジェフ・タニクリフ氏:第3回ローザンヌ会議「ケープタウン2010」が開催されてから3か月が経過した。本会議には数年にわたる計画、祈りおよびさまざまな準備がなされ、多様な分野からキリスト教指導者らがこれからの世代に聖書に基づいた福音の力を反映させるための会議がなされた。
この会議が参加者らに及ぼした影響はどのようなものであったろうか。文化の多様性、力強い賛美、ハイテクを駆使した画像、小グループに分かれての交わり、洞察力溢れる聖書解説、北朝鮮の若者による証しとさまざまな催しがなされ、参加者それぞれが生涯の記憶に残る思い出となったであろう。
しかし今問われているのは、この歴史的で独特な世界規模のキリスト教イベントのインパクトはどのようなものであったかということだ。時間がその結果を教えてくれるだろうとの答えもあるかもしれない。しかし私はこの会議の最大のインパクトは「ケープタウン決意表明:信仰の告白と行動の呼び掛け」がどのように用いられ、実際に行動されるかにあると期待している。
ケープタウン決意表明は英語にて公式にウェブサイト上で公開され、神学的視点と実際に世界に対して仕えるために行動を起こす視点の双方を交えて書き上げられた。世界福音同盟(WEA)がこの草案作成のすべての分野において関わることができたことは光栄である。この決意表明は読んで分かる通り、2部によって構成されている。
第1部は各国神学者・宣教学者らによって構成されており、私たちの信仰に基づいた文化的・神学的多様性について述べられている。愛のコンテクストで全体が統一されており、私たちの信仰の姿勢について焦点が置かれている。第2部は会議開始前から行われ、会議終了日まで続けられていた公聴・内省活動によってなされた教会の行動の在り方について書かれている。第2部では歴史的枠組みで見た現代の世代の人々に私たちがどのような信仰的行動をなすことができるかに焦点が当てられている。
決意表明の第2部ではキリストの証人となることが今日の私たちにとってどんな意味を成すのかが良く記述されている。福音の普遍性や福音の宣べ伝え方が良く強調されている。私たちがキリストにあって完全なものとして生活していくための挑戦を与えている。キリスト共同体の中にあって生きるにおいて、聖書的な一致を保つこと、社会正義や現代生じている様々な地球規模の問題に力強く実践的に対応していく必要性が述べられている。
結局、ケープタウン2010が世界に与えるインパクトとは何だろうか?ケープタウン決意表明が世界中に配布され、勉強され、世界諸教会で活用されるようになれば、神の御霊による活動が強化され私たちの信仰の転換を見ることができるようになるだろう。
WEAでは福音主義キリスト教徒が一致を保ち、さらなる信仰の深い次元に踏み込む道を模索しており、WEA会員団体すべてに対し、この決意表明を用いることでどのように世界と関わっていくか考察するように促している。
WEAのミッションはキリスト教徒としての一致を保ち、世界的な福音主義キリスト教徒としてのアイデンティティを提供し、福音主義キリスト教徒への声とプラットフォームを提供することである。聖霊の働きによって力を受け、神の御国をすべての国に伝え、キリストを中心とした転換をそれぞれの社会に与えていく―ケープタウン決意表明はそのようなWEAの現在行っている活動を強調する文書となった。三位一体の神の栄光を高めるための私たちのミッションを助ける素晴らしい情報資源として今後世界中で活用され、実践に移されていくことを期待したい。
(英文のケープタウン決意表明は以下のWEAサイトから無料で全文ダウンロードできる。http://www.worldevangelicals.org/news/article.htm?id=3333&cat=main )
世界福音同盟(WEA)総主事 ジェフ・タニクリフ