【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は12月30日、バチカン(ローマ教皇庁)がテロ資金対策やマネーロンダリング(資金洗浄)防止に協力する教令を発した。バチカン内のマネーロンダリング(資金洗浄)防止と財務の透明性向上のために財務監視機関『財務情報局』(FIA)を設立する。
新機関は2011年4月に創設、マネー・ローンダリング対策の国際協調を推進するための枠組み『金融活動作業部会』(FATF、本部パリ)のルールに基づいて不正資金の取引を監視する。教皇庁のすべての部署が対象となる。メンバーは教皇が任命する。
バチカンの財政管理組織『宗教事業協会』(通称バチカン銀行)は1942年に設立され、資金調達のほか投資銀行を通じてバチカンの資産を運用してきたが、マネーロンダリング疑惑が発覚、2010年9月、イタリア当局の捜査を受け、2300万ユーロ(約25億円)の資金を押収され、金融面の公開性向上を求める声が上がっていた。
教皇庁の報道担当者は「バチカンは、国際社会、国際当局と連係したシステムに全面的に組み込まれた」と述べた。