ジョージ・ブッシュ前米大統領と、米国のメガチャーチ、サドルバック教会(カリフォルニア州)のリック・ウォレン牧師が29日、同教会主催の「市民フォーラム」で約1時間にわたって対談した。会場には数千人が詰め掛け、対談の様子はインターネットでも生放送された。
「市民フォーラム」は、市民同士の交流と連帯促進などを目指して同教会が開催している。7回目となった今回のテーマは「リーダーシップ」。ブッシュ氏は、リーダーについて、組織がどこへ向かっているかを知っている必要があり、ビジョンを持つ必要がある。揺れない信念を持つべきで、リーダーはその信念から逸れてはならないなどと語った。
ブッシュ氏の信念は、両親とキリスト教の信仰によって育まれたと言う。大統領時代に持ち続けた信念の一つは、すべてのいのちは尊いものであり、そのいのちのために多くのものが(神から)与えられており、一方でまた多くのことが必要とされているということだったと語った。
一方、「組織を導くとき、自分自身をかわいそうだと思うことより深刻なことはない」と語った。「人はただ誰かに従うということを望まない。どんな高い丘であっても我々はそれを登るのだと語ってくれる人に従いたいと思うのだ」と述べ、リーダーとしてあるべき姿勢を語った。
ブッシュ氏は、自分自身をかわいそうだと思うことを避けるは方法の1つとして、聖書を読むことを挙げた。「聖書がそれを教えてくれる。自分が困難に直面していると思うとき、復活した主がどう感じたのかを想像してみることだ」と言う。また、歴史を学ぶことも重要だと語った。
「私はアブラハム・リンカーンについての本をたくさん読んだ」「もしあなたが大統領の立場にあって、自分自身をかわいそうだと思い始めたならば、するべきことはアブラハム・リンカーンについての本を読むことだ。彼はあらゆる局面において、大統領としての強い資質を兼ね備えていた」と言う。
ブッシュ氏自身はここ1年で92冊の本を読んだという。毎日聖書を読むことを自身にとっての一つのルールにしており、1日の初めにすることは聖書を読むことだと語った。ブッシュ氏は、このよに自分自身に対してルールを作り守ることは非常に大切だと述べ、今日のリーダーにはそれが失われているように感じると語った。
「いろいろなことで埋め尽くされて平常心が保てないような時には特にこの自制心を持つ必要がある」「私にとって、毎日聖書の中に身をおくというルールは非常に重要なものだ」などと語った。