キリスト教精神に基づいた支援活動を行っている国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(東京都新宿区)のTシャツを、公式飛行記念品として昨年12月から今年6月まで国際宇宙ステーションに持って行っていた宇宙飛行士の野口聡一氏が10日、同NGOのイベント「ワールド・ビジョン・カフェ」に参加し、Tシャツを返還した。
ワールド・ビジョンによると、野口氏は「ワールド・ビジョンの趣旨に賛同し、何か記念になる物をお預かりしたいと思いました。実際に宇宙で自分と行動をともにしたTシャツを返還することができ、嬉しく思っています」とコメント。Tシャツのほかにも、宇宙ステーションから撮影した富士山の写真や、宇宙へ持って行っていたピンバッジを寄贈した。
野口氏は10年以上にわたってワールド・ビジョンの支援プログラム「チャイルド・スポンサーシップ」に参加し、途上国の子どもたちを支援している。現在はベトナムの子どもを支援しており、この日行われたベトナムとの生中継では、支援先の子どもとも対話した。
「どうすれば、私たちも宇宙飛行士になれますか」という質問に、「これから世界中の子どもたちが宇宙に行ける時代が来れば、素晴らしいと思います。宇宙飛行士になりたければ、学校でよく勉強してください。ベトナムも科学技術に強い国なので、学校で科学などをよく勉強すればいいと思います」などと答えた。
返還されたTシャツは今後、ベトナムの野口氏が支援する子どもが住む地域へ送られ展示される予定。