世界的ベストセラー『The Purpose Driven Life(邦題:人生を導く5つの目的―自分らしく生きるための40章―)』を著したリック・ウォレン師が主任牧師を務め、米・ロサンゼルスで3万3000人もの信徒を持つ南部バプテスト連盟・サドルバック教会の伝道チームが12日午後7時半より、日本バプテスト連盟・愛知新生教会(愛知県、坂田世津子牧師)で来日セミナーを開催した。会場には牧会者を中心に約40人が参加した。
この日訪れたのは、日本宣教に重荷を持つサドルバック教会伝道チームの中からカイ・ホシ氏とその妻ユキコ・ホシ氏、そして同教会男性バイブルクラス教師であるマシュー・カエ氏の3人。特別賛美には、日本バプテスト宣教団からリチャード・フィップスさんとピアノ伴奏した妻のバーバラさんが招かれ、短い証と「神様の愛とは何か」「神様の愛とは誰なのか(イエスキリスト)」をテーマにした賛美を披露した。
プログラムはあえて事前に用意されず、会場に集まった参加者に合わせ、また聖霊の導きによって臨機応変に進行していくという形態がとられた。テーマは、c[1]夫婦問題カウンセリング手法、c[2]教会を成長させるには、c[3]伝道を通してみた日本のクリスチャン世界の印象、c[4]日本はなぜ隣国韓国や中国のようにクリスチャンが増加しないのか――等。サドルバック教会で実際に使われているPEACEプランなどの伝道戦略を紹介し、21世紀の伝道について新たなアイデアを提唱した。
セミナーは開会の祈りで幕を開け、フィップス夫妻の特別賛美、サドルバック教会・日本伝道チームのカイ・ホシ氏による証、参加者と伝道チームによるQ& A、参加者一同による賛美、閉会祈祷の順で進行した。セミナーは約2時間で終了した。しかし、セミナー終了後も宣教への熱意に燃える参加者たちから質問が殺到、セミナーで感銘を受けた人々からの証は後を絶たず、最寄の最終バスが近づいても帰る人はほとんどなかった。
セミナー開催のきっかけは、昨年のクリスマスに一人の求道者が会場である愛知新生教会に導かれたことに始まる。当初、働き盛りのビジネスマンであったこの男性は、昨年夏に悪性皮膚がんに冒され将来に絶望していたところ、米国在住のクリスチャンの親友に「教会に行ってみてはどうか」と誘われた。インターネットで近所の愛知新生教会を発見して教会に通い始め、イエス・キリストを救い主として受け入れて先月に洗礼を受けた。彼の救いをこころから喜んだ親友は、なんとサドルバック教会のミニストリー・リーダー。今月サドルバック教会の日本伝道チームが沖縄と大阪で講演を開くことを知ると、追加講演の話を提案し、愛知でのセミナーが急きょ決まったのだった。
サドルバック教会伝道チームは大きな集会を避け、参加費無料で小規模の集会を開催している。席上献金はあるが、奉仕者全員はボランティアの信徒であるという。カイ・ホシ氏はセミナー終了後、本紙の取材に応じ、「セミナーが終わった後も、こうやってたくさんの方が話を聞きに来るでしょう。チケットを売って大きな集会を開くこともできるが、参加者の声がこちらまで届き難く、主催側の一方的な内容になってしまいがち。大きな教会の意見だけ聞くのではなくて、宣教の現場にいる一般の声を聞くことが大事です。セミナーでは、一対一の質疑応答の時間を何より大切にしています」と語った。