桜美林大学(obirin Univ.)の元人気講師、申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師のコラム第14回目です。 このコラムは、韓国オーマイニュース(http://ohmynews.com/)に掲載され、当時大きな反響を呼びました。在日韓国人牧師という立場から、同師が日本宣教への夢を語ります。
◆はじめに
筆者は「日本宣教の夢」連載5回目で、日本宣教に気も狂わんばかりの情熱と愛を持って日本人宣教の為に献身したひとりの平信徒を紹介した。彼の名は鄭英寿(ジョン・ヨンス)氏である。彼が日本宣教の夢を持って具体的に活動したのは1990年が最初で、以来数年間日本全国を踏破して情報を集めて韓国に帰り、「ミッションJapan」(宣教団体)の礎を築いて大勢の宣教師を日本人の宣教の為に派遣することが出来たのである。
今回は今から30年程前、韓国の大教会の牧師であられた趙ヨンギ先生が、日本の教職(牧師・伝道者)の教会成長の為の修養会(関西地方)に招かれて講演をされた。何日間の修養会の最後の講演のしめくくりで、涙を流して日本のリバイバルの為に祈られ、また日本の教職の先生方に訴えられた。そのことを次に紹介しよう。
◆1.回顧と訴え
「私が自分の初めの頃を振り返りますと、私の想像の中で決して日本人を赦すことができないのです。皆さんこの36年間韓国におきまして、3万人のクリスチャンの韓国人を殺したのであります。すべての教会を破壊しました。そしてすべての教会の中に神道を持ってきたのであります。そしてある日、ある教会の中にその教会のクリスチャンたちを閉じ込めました。そして油をかけてそして火をつけて焼き殺してしまいました。お母さんが子どもを抱いていましたが、窓から投げました。そしてその赤ちゃんを日本人の憲兵が突き殺したのであります。
私が小学校に行っていた時、私たちは動物のように扱われました。こういう人間的な考え方の面を見ていくならば、決して日本人を赦すことが出来ないのです。皆さん、私たちがどのように感じるかご存知ですか。中国においてはもっと悪いことをしました。そしてフィリピンでもアメリカの囚人たちがバナナの皮をむく強制労働に狩り出されておりました。そして私たちの目の前でその若いアメリカの囚人たちが死んで行くのを見たのであります。
それでも神さまは私たちを愛しております。アメリカの宣教師たちは神さまの愛を持ってこの国に来ました。そして神さまは私に皆さんを愛するように命じておられます。そして私が祈る時に日本の為に祈れと神は言われました。私が皆さんを本当に愛するためには10年以上もかかりました。神さまは10年以上の間、私を何度も何度も責めました。私は今心から皆さま方を愛しております。主イエス・キリストの心を持って。そして今、全東洋があなたの助けを求めておるのです。あなたの製品だけを売るためにもって行かないようにして下さい。全東洋は日本の製品で満たされています。これは経済的な侵入であります。なぜあなたたちは私たちに福音を持って来ないのですか。私たちはそれを待っているのです。そして皆さま方の純粋な本当の愛を見たいのであります。神さまは必ずこれをなして下さると信じています。このすべての路上で流された血が叫んでおります。神さまはその負債を返すために皆さま方を起こそうとしておられます。立ち上がってそのチャレンジを受け取ってその必要を満たして下さい。」
◆2.執り成しの祈り
「お〜神さま、日本を起こして下さい。神さまあなたの聖霊によって日本を揺り動かして下さい。お父さま、私が何度も何度も苦闘し泣き叫んだことをご存知ですか。私は何度もあなたに日本には決して行きませんと言いました。あ〜神さま、あなたは何度も何度も私に日本を愛さねばならないと言いました。お父さま私は今ここに来ています。そして私は日本人を愛していなかったことを告白いたします。
しかし今はイエス・キリストの心で日本人を愛しております。神さま彼らは私自身の兄弟であり、姉妹であります。どうか日本をリバイバルしてください。そしてこの国に聖霊を注いでください。神さま(激しく泣きながら「筆者注」)この日本の人々を起こして魂を救ってください。Oh Jesus Oh Jesus !
天のお父さま、1億の民をどうか救ってください。そして全世界に対して義の太陽が昇る人々にして下さい。お父さま彼らは良い人たちです。彼らは勤勉な人たちです。神さまあなたの聖霊によってリバイバルして下さい。そしてこの大会から出発させて下さい。そしてすべての宣教師が流した涙が実を結ぶようにして下さい。主イエス・キリストのみ名によって祈ります」
◆3.私たちは日本宣教の為に泣けるか
筆者はテープで、趙ヨンギ先生の日本宣教の為に号泣する声を聞いた。激しく胸を打たれた。
誰が日本宣教の為に、日本の救霊の為に心から泣くだろうか。いや泣く人は大勢いるかも知れない。イエス・キリストがエルサレムの滅亡を予言して泣かれたことを聖書は述べているように、私たちも泣くべきではないか。
「やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れて下さる時をわきまえなかったからである」(ルカによる福音書19:43,44)
◆おわりに
イエス・キリストの予言は的中した。紀元70年のローマによる滅亡によって、どんなに大勢の人が命を落としたことか。当時のユダヤの指導者たちは主イエスの予言を信じなかった。この教訓は今日の教会の指導者たる私たちに警告として与えられているのではないだろうか。
私たちは日本人一億三千万の救いの為に、涙を持って祈ることを主イエスから命じられていることを覚え、熱心に祈ろうではないか。