中国人留学生で関西学院大学神学研究科、奨励研究員の徐亦猛さんがこのほど神学博士号を取得した。指導教員の神田建次・神学部教授は、中国人留学生で日本の神学博士号を取得するのは初めてではないかと話している。
同大によると、徐さんは94年11月、日本の大学入学を目指して来日。神戸の日本語学校で学んでいたが来日2ヵ月後、阪神・大震災に遭遇。地震により、徐さんが住んでいた住宅は1階部分が壊れ、1階に住んでいた5人の老人が亡くなるという大きな被害にあった。
しかし、徐さんが2階から脱出する際、偶然にもカバンに入れたものが日本語学校で手渡された聖書だった。火事ですべてを失ってしまったが、避難所生活で日本人の温かさに触れ、国という壁を乗り越えて支えあうことの大切さを知り、キリスト教の道へ進むことを決めたという。
今後は神戸で牧師を続けつつ、研究者として「中国と日本の学問的交流の架け橋になりたい」と話している。