デザイナーの吉岡徳仁氏が5月、2010年の「World Design Capital」に選定された韓国・ソウルで展覧会を開催し、クリスタルのプリズムでできたステンドグラス作品「虹の教会」などを公開する。
「World Design Capital」とは、デザインを通じて世界各都市の社会、文化、経済的な発展を促すプロジェクトとして、国際インダストリアルデザイン団体協議会が2年に1度開催しているイベント。選定された都市には政府と産業、教育機関、デザイナーなどが連携して創造的な産業を誘致。都市環境の活性化を促進させ、その成果を発表する。
「虹の教会」は、約500本のプリズムによって虹を生み出すクリスタルのステンドグラス作品で高さは8メートルにも及ぶ。制作のきっかけは、吉岡氏が20代の頃にフランスを訪れた際、アンリ・マティスが内装デザインを手掛けた「ロザリオ礼拝堂」を見て衝撃を受け、「いつか教会を手掛けたい」と思うようになったことだという。
吉岡氏はプロダクト、空間、パッケージ、建築など多岐にわたるプロジェクトを手掛け、世界のデザイン賞を多数受賞。その作品は米国のニューヨーク近代美術館やパリのポンピドゥーセンターなどに永久所蔵されている。また、07年にはニューズウィーク日本版の誌上で「世界が尊敬する日本人100人」の1人にも選ばれている。