元祖便利屋の右近勝吉さんを主人公のモデルとした映画『ふうけもん』の企画が、今年秋の制作発表に向けて着々と進められている。監督は、大人気映画『釣りバカ日誌シリーズ』(1-10作・松竹)を手がけた栗山富夫氏。脚本は、2000年に第一回ホラーサスペンス大賞を受賞しベストセラーとなった『そして粛清の扉を』の著者・国文博氏が担当。各界を代表する豪華スタッフがそろった。
映画『ふうけもん』は、便利屋・右近勝吉さんの数奇な半生を描いた自伝『人のために人となる人』を映画化したもの。右近さんは少年時代、ヤクザにあこがれ、組のチンピラに。しかしある日、牧師の「オンリー・ビリーブ」という言葉と出会う。右近さんはそこで、「人の為に生きていこう」と決意。それ以来、ドブさらいや庭の手入れなど、少し面倒な雑用の依頼から、孤独な老人や「引きこもり」の人の話し相手など、多様な依頼を引き受けて今も日本全国を走り回っている。
映画は、教訓的でも説教がましくでもなく、人間味豊かな笑いと涙で右近さんの人生を描く。「人」に出会って始まる仕事、そこには様々なハプニング、葛藤、トラブルが生じる。滑稽なこと、涙ぐましいこともあれば、ときにははらはらする危うい仕事にも遭遇する。
また便利屋は家族株式会社という仕組み。パートタイマーの妻と娘、入れ替わりの多い見習いさん。その人情あふれる家族設定、そしてふうけもんの人間味豊かな姿は、国民的映画『男はつらいよ』の主人公「寅さん」を想起させる。
ふうけもんは、仕事を通して知り合った人々を決まって教会にさそう。便利屋の精神の糧となっているすばらしい「何か」に一人でも多くの人にふれてほしいからだ。
この映画のプロデューサーを務める金珍姫(キムテレサ)氏は、学生時代に映画『男はつらいよ』の全作品をくまなく研究した。「福音と感動と笑いを一つにする映画に仕上げたい」と制作の意気込みを語っている。
事務局では現在、映画制作のために発起人(5万円以上の寄付金)を募集している。発起人には映画出演などを含めた様々な特典を用意。現在までに、海外では国際的慈善団体ワールドビジョンや、88年ソウルオリンピック大会組織委員長、国民日報社長など、国内では衆議院議員の土肥隆一氏、カネボウ株式会社元会長の三谷康人氏、いのちのことば社社長の多胡元喜氏ほか、多くの著名人が集まり、映画制作を応援している。問い合わせは、映画ふうけもん後援会事務局(電話:03・5785・4600、ファックス:03・5785・4602)まで。