日本のキリスト教界における半世紀に一度の大イベント「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」(同実行委員会主催)が、8日の開催まであと2日と迫った。大会標語である「キリストにあってひとつ―主イエスの証し人として」を旗印に、国内500のプロテスタント諸教会・団体が賛同。神奈川県のパシフィコ横浜国立大ホールで開かれる8日の開会礼拝には、5000人のキリスト者が一同に集まり、150年の記念の年を盛大に祝う。
日本における継続的なプロテスタント宣教は、1859年(安政6年)にジョン・リギンズ宣教師とチャニング・ウィリアムズ宣教師(ともに米国聖公会)が長崎に、ヘボン宣教師(米国長老教会)が神奈川に、フルベッキ宣教師(米国改革派)が長崎に、そしてS・R・ブラウン宣教師とシモンズ宣教師が神奈川に続けて来日したことに始まる。それ以前には、1549年のフランシスコ・ザビエル来日に始まるカトリック教会による宣教活動や、横浜開港以前に琉球で伝道活動を展開し、琉球語聖書の翻訳を手がけたプロテスタント宣教師ベッテルハイムらの働きがあった。
日本のプロテスタント宣教の節目を祝う記念の大会としては、1909年に「開教五十周年記念会」、1959年には「宣教百年記念大会」が行われている。今回の大会では特に、国内にあるプロテスタント諸教派をそれぞれに代表する3人が共同実行委員長を務めるなど、プロテスタント諸教会全体の一致を前面に押し出している。また、昨年から今年にかけて各地で開催されているプロテスタント教会主催の諸行事を、各関係者に呼びかけて150周年記念行事として位置づけてもらい、同じロゴマークと標語を全国で使用することで記念大会開催の機運を盛り上げてきた。
大会には、世界福音同盟(WEA)や世界教会協議会(WCC)の代表など、世界的なキリスト教指導者が来賓として多数参加する。大会前日の7日には、国内外の来賓を招いての記念晩餐会が都内のホテルで開かれるほか、8日午後にも都内のホテルで関係者らの交流を目的としたランチョン(昼餐会)が行われる。
大会第1日目(8日)には、午後5時から記念フェスティバル、同7時からは開会礼拝が開催される。フェスティバルでは、MC・ナレーションをジョン・カビラが担当。開会礼拝では、オバマ米大統領の就任式で代表祈祷を務めた米サドルバック教会のリック・ウォレン牧師がビデオレターで登場する。
第2日目(9日)は、午前10時から記念式典、午後1時半から基調講演とパネルディスカッション、同4時からは派遣礼拝が行われる。基調講演では、日本を代表する神学者の一人である加藤常昭氏と、東京女子大学学長の湊晶子氏が講演。同時刻に別会場では、信仰と学校教育、医療・福祉などをテーマに、参加者の関心に合わせた10種類の分科会が開かれる。
また、基調講演・分科会と同時進行のプログラムとして9日午後1時から、海外の来賓らがアジア宣教に関する報告や提言などを発表する「アジア宣教フォーラム」が、本会場近くのホテルで開催される。WCC中央委員会副議長のマルガレータ・ヘンドリクス・リリマッセ博士、アジア福音同盟(AEA)総主事のリチャード・ハウエル博士、第三世界宣教団体協議会(TWMA)議長のオベド・アルヴァレス博士らが発題する予定。発題後、グループに分かれてのディスカッションも行う。
最後の派遣礼拝では「次世代への継承」をテーマに、ミッションスクールの児童や若手牧師らが出演。今大会の3人の実行委員長が大会記念の「決意表明」を発表して閉幕する。
参加には、各集会とも登録券が必要。詳しくは、同大会公式ホームページ。