あなたがたに新しい戒めを与えましょう。あなたがたは互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、そのように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。・・・」(ヨハネの福音書13章34節〜35節)
愛する者たち。私たちは、互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。・・・愛のない者に、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです。・・・(第一ヨハネ4章7節〜21節)
今日はイエスが十字架にかかられるその直前に、命令として弟子たちに語られたお言葉を開きました。
私たちは本当にキリストの愛に基づき、キリストの愛がしっかりと流れる本物のクリスチャンとして、イエスの命令に心の土台、人生の軸をしっかりと置いた歩みをさせていただきたいと思います。
キリストは私たちに愛を語られ、忘れてはならない戒めだと言われました。そして聖書は、それは私たちへのキリストからの命令だと伝えています。
私たちは、聖書が愛を語るということを良く知っているのですが、今日はもう一度キリストの語る愛、神の御言葉である聖書が私たちに語り続けている愛を、共に受け止めたいと思います。
私たちは3つのことを心の中に刻み付けたいのです。
1.キリストご自身が愛を語られた
私たちのために人となってこの世に来られ、私たちの罪の全てを背負って十字架の上で死んで下さったキリストが、愛することだ、と語られたのです。ご自分が十字架について間もなく死ぬ・・・、最も大切な人にどうしてもこのことだけは語っておかなければならないという場面で、キリストは愛を語られたのです。
キリストはなぜ最後に愛を語られたのでしょう。それは、キリストご自身が愛だからです。
神ご自身の本質が愛であると聖書は語り、だからこそイエスは、ご自分が間もなく十字架で死に、人としての姿では交わることができなくなり、弟子たちと離れなければいけない時が近づいたことを知って、愛を語られ、愛を残そうとされたのです。
キリストご自身が愛の方なのであり、愛を残すということはすなわち、キリストご自身を私たちのうちに残すことに他ならないと知っておられたからです。
私たちは、もう一度自分の心の中にはっきりと宣言しましょう。私たちの信じている神は、愛であると。
神は愛をもって私たちに接して下さったのでした。
2.キリストは愛によって私たちを救われた
イエスが十字架の上で私たちの罪を背負われ、私たちの汚れや私たちの運命、私たちの悲惨を全部背負って身代りの死を遂げ、私たちを自由にして下さったと聖書は語っています。その救いの業を実現した原動力は、他でもない、愛です。キリストは愛によって大胆に力強く何の躊躇もなく行動して、私たちを救って下さったのです。
ここに神の愛が示されたのであり、その神の愛は、キリストの十字架、救いの業の中に現わされました。神の愛によって私たちは救われたのです。
3.キリストは愛を命令された
愛は単なる励ましではなく、単なる勧告や、勧めでもなく、愛することはキリストからのご命令です。
愛である神から発した愛が、十字架の救いで私たちに伝えられ、私たちはその愛を受けた者として愛し合うのです。「もし私たちが互いに愛し合うなら、神は私たちのうちにおられ、神の愛が私たちのうちに全うされる」(第一ヨハネ4:12)と語られました。私たちは、互いに愛し合うことで、愛の実を結ぶことができるのです。
クリスチャンとして生きる私たちは、この愛をテーマとして歩んでいくのです。もちろん私たちは弱いですし、足りないところは山ほどあります。だからこそ、もうひとりの助け主である聖霊が私たちに降って来て下さり、弱い私たちを強め励まして下さるのです。それで私たちは栄光から栄光へと、日ごとにキリストに似る者へと変えられ、愛の増し加わる生き方をすることができるのです。
キリストによって伝えられた愛を、今度は私たちの日常の生活の中で実践し、愛による実を結ぶ者でありたいと思います。
愛のある信仰を私たちは意識しましょう。愛である神に基づく信仰なのですから、当然のこととして愛のある信仰でありたいのです。
私たちが持つべき心の内側にある原動力は、キリストが語られた愛です。勇気を持って自分自身に命じましょう。「私の魂よ、よく聞け、お前は人を愛するべきだ。愛さなければいけない。それがキリストの私たちに対するご命令だ」と。私たちの心の内側にはキリストの愛があるのですから。
祝福と恵みの大流行も、キリストの愛から始まります。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。