歴代教皇としてはパウロ6世(1964年)、ヨハネ・パウロ2世(2000年)に次いで3人目となる、ローマ教皇ベネディクト16世による聖地(エルサレム)巡礼が8日から始まった。教皇は同日午前にバチカンを出発、同午後に最初の訪問国となるヨルダンの首都アンマンに到着した。アンマン国際空港では、アブドラ・ビン・フセイン国王夫妻が出迎え、キリスト教徒ら数百人の歓迎を受けた。
空港では歓迎式典が行われ、今回の歴訪を「平和の巡礼」と話す教皇は「イスラム社会に対する深い尊敬の意を示す機会だ」(AFP通信)と述べ、中東だけではなく全世界で基本的人権としての宗教の自由が守られることを切望すると語った。
一方、バチカン放送(日本語電子版)によれば、教皇は「私は一人の巡礼者としてヨルダンにやってきました」と述べ、今回の巡礼でモーセが約束の地を見たネボ山や、イエスが洗礼者ヨハネから洗礼を受けたとされているヨルダン川対岸のベタニアなど訪れたいと語った。
日曜日の10日にはアンマン国際競技場でミサを行い、ヨルダンには11日朝まで滞在。同日中にイスラエルのテルアビブに迎い大統領府を表敬訪問、ホロコースト記念館を訪れる。ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区を訪れる8日間で教皇は、イスラム教指導者や主席ラビらとの会談も行い、最終日の15日にはエルサレムでキリスト教の諸教会代表者らとエキュメニカルな集いを行い、聖墳墓教会、アルメニア使徒教会などを訪問する。