福岡県警は7日、購入しなければ「地獄に落ちる」などと話し、水晶の彫刻を購入するよう執拗に迫ったとして、特定商取引法違反(威迫・困惑)容疑で、世界基督教統一神霊協会(統一協会)の会員だと語る女性を逮捕した。また同日、事件と関連して福岡市博多区にある統一協会福岡教会など4カ所を家宅捜索した。共同通信などが伝えた。
同通信によれば逮捕されたのは韓国籍の無職金純姫(キム・スンヒ)容疑者(61)。県警によれば、金容疑者は昨年6月、同市内の女性(57)に、先祖の因縁が深く、購入しなければ地獄に落ちるなどと不安をあおる内容を話して、水晶製の彫刻2つ、計約300万円の売買契約を結ばせたことが疑われている。金容疑者は、容疑について「間違いありません」と認めているという。
一方、複数のメディアは事件について、金容疑者が勤めていた印鑑などを販売する会社「サンジャスト福岡」(2月に解散)との関係を報道。県警は昨年12月に同社を捜索しており、その際全国霊感商法対策弁護士連絡会が同社と統一協会の関連を指摘していた。県警は、元社員の金容疑者が統一協会の信者であると供述したため、今回、事件の関連先として統一協会福岡教会の捜索を行ったと説明している。
統一協会は、金容疑者が信者かどうかについては「個人のプライバシーにかかわることなのでお答えできない」(同通信)としており、同社との関連については資金を受けるようなことはないと否定している。