日本ロック界の草分けで、日本の教会音楽を刷新し続けてきた小坂忠氏が、デビュー42周年と自身の還暦を記念したアルバム「コネクテッド」(ビクター)を今月発売した。スキマスイッチの大橋卓弥氏など豪華アーティストが楽曲を提供。「歌手で牧師」という異色の肩書きを持つアーティストとして今、注目を集めている。
48年、東京生まれ。66年にロックグループ「ザ・フローラル」を結成し、日本コロムビアよりデビュー。その後、細野晴臣、松本隆らと「エイプリル・フール」を結成。解散後の75年に発表したソロアルバム「ほうろう」は、日本のR&Bを代表する名作として今も高い評価を得ている。
76年にクリスチャンとなり、78年には日本初のゴスペルミュージックレーベル「ミクタムレコード」を設立。ゴスペル音楽活動を本格的に開始し、日本の教会音楽に新風を吹き込んだ。91年に日本フォースクエア福音教団秋津福音教会の牧師に就任。その後も、全国各地で音楽セミナーやゴスペルミュージックイベントを主宰し、教会音楽の発展に貢献してきた。7月8、9日に神奈川県のパシフィコ横浜で開催される「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」(同実行委主催)では、「音楽を通じての宣教」に関する分科会の講師に選ばれている。
「コネクテッド」というタイトルには、「絆」や「つながり」という意味が含まれている。今回のアルバムは、多くのミュージシャンやスタッフ、楽曲提供者との新しい「つながり」を生み出し、バラエティーに富んだ作品に仕上がった。また、様々な人の人生と深く関わる牧師にとって、人との「出会い」や「絆」は人生の財産。タイトルには、そんな小坂氏の思いが込められている。
アルバム発売は読売新聞でも取り上げられ、タイトルの意味について小坂氏は、「良い絆を築くために必要なのは愛。言い換えれば、誰かのために、どれだけ時間を費やせるかということ」と同紙で語った。
4月には、佐橋佳幸、小原礼、Dr.kyOn、高橋幸宏ら豪華レコーディングメンバーとともに福岡、大阪、東京の3都市で全12公演のビルボードツアーを開催する。