フランス聖書協会は、この夏にパリで開かれるオリンピックとパラリンピックの開催期間中に、フランス語訳14万部、英語訳6万部の計20万部の新約聖書を配布する。
同協会は、期間中に配布する新約聖書が、「競技会場をはるかに超える永続的なレガシー」となることを願っている。
配布するのは特別版の新約聖書で、聖書本文のほか、クリスチャンアスリートらの証しが掲載されている。掲載されるのは、2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得したフランス元代表のハンドボール選手ジョエル・アバティ(54)や、20年の東京オリンピックで銀メダルを獲得し、パリオリンピックにも出場するオーストラリア代表の走り高跳び選手ニコラ・オリスラガーズ(27)らの証し。
同協会はこの新約聖書を人々に届けるために、さまざまなスポーツ宣教団体と協力している。オリンピック・パラリンピック開催期間中のこの協力は、「スポーツと信仰の境界線を越えて、人々を結び付ける協力の力と共通の価値観の道しるべ」だと胸を張る。
配布する新約聖書の表紙には、ペトロの手紙一1章7節「あなたがたの信仰は、その試練によって本物と証明され、火で精錬されながらも朽ちるほかない金よりはるかに尊くて、イエス・キリストが現れるときには、称賛と光栄と誉れとをもたらすのです」に基づき、「金(メダル)よりも高価なもの」と大きく書かれている。
これから約1カ月半の期間、1500万人を超える観光客がパリを訪れると予想されている。特別版の新約聖書は、オリンピック(7月26日~8月11日)とパラリンピック(8月28日~9月8日)の両方の開催期間を通して配布される。
同協会は当初、フランス語訳10万部、英語訳3万部の計13万部の新約聖書を配布する予定だった。しかし、協力団体からそれを上回る圧倒的な要望があり、増刷を余儀なくされた。
「この特別版の新約聖書で紹介されているアスリートたちの証しを読むと、とても感動します。これらの証しは、聖書が私たちの現代世界に与え続けている永続的な影響を力強く思い起こさせるものです。またこれらは、この不朽の名著を全ての人が利用できるようにし、社会と結び付ける上で、各国の聖書協会が果たす役割が非常に重要であることを強調するものです」