薬物、アルコール、タバコの使用や自殺未遂などで刑務所に6回も入ったロシアのグレブは、絶望の淵に沈んでいた。34歳の時、彼は自分のうちに大きな戦いがあることを知っていた。そう、最大の敵は自分自身だった。
直近の服役中、一筋の光と希望がグレブに触れた。あるミニストリーが刑務所内でのバイブルスタディーを許可されたのだ。当初、グレブはその人たちがそこで何をしているのか気になって仕方なかった。そこで彼は、自分で確かめるために集会に参加したのだ。何度も何度も、彼は参加し続けた。
「こんな自分の人生にも、希望がまだあるんだということを初めて知ったよ」とグレブは言う。「ある晩、俺は一人で散歩に出かけたんだ。その時、不思議なことだったが、神が俺に触れてくださり、俺の人生は全く変わってしまったんだ。神は生きておられる。神が俺の人生に奇跡を起こしてくださっているのを、俺は目の当たりにしているんだ。神に栄光あれ!」
やがてグレブは、主であり救い主である神に祈り始めた。彼と他の受刑者たちは、礼拝と祈りのために集まった。「神は俺たちの個人的な牢獄の門を開いてくださった。神の言葉は俺たち全員にとって本当の真理となったんだよ。今、俺たちは、俺たちを散々悩ませてきた神の敵と戦うことができるんだ」
獄中にいる間、グレブは家族のことをとても心配していた。ところがグレブは、受刑者にバイブルスタディーを導いている地元の信者たちが、受刑者の家族にも神について教えていることを知った。その時、彼はそこに神の恵みが働くことを確信した。
グレブの出所の日、キリストにある兄弟たちが彼を出迎えに来た。「俺は出迎えられ、服を着せられ、靴を履かされ、必要なものは全て豊かに与えられた」と彼は回想する。「こんなに多くのものを得たことは今まで一度もなかった。しかし、最も重要なことは、俺は今キリストの救いとキリストを信じる家族を持っているということだ。俺が過去持っていた自由は、今俺が持っている神を知ることの自由とは全く比べ物にならないよ」
そう、獄中にいたグレブの依頼で、バイブルスタディーはグレブの家族の家でも開かれ、彼の家族はもはや血肉の家族のみならず、天に名前が登録されている家族になっていたのだ!
グレブは、マタイによる福音書6章33節の「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます」を引用して、喜びとともに証しをした。
キリストにあってやり直せない人生はなく、絶望に支配される人生もない。グレブがそうであったように、地道な伝道と聖書の学びと弟子化が進み、ますますロシアに神の子どもたちが起こされるよう祈っていただきたい。
■ ロシアの宗教人口
正教 64・0%
プロテスタント 2・1%
カトリック 0・6%
イスラム 12・5%
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