韓国世界宣教協議会(KWMA)は7日、2023年に韓国から派遣された宣教師の数が、174カ国で計2万1917人だったことを発表した。前年に比べ、派遣先国は5カ国増えたが、宣教師の数は287人の減少だった。宣教師の数はこの数年、減少傾向にあり、高齢化の課題も浮上している。韓国クリスチャントゥデイ(韓国語)が8日、伝えた。
KWMAによると、韓国から派遣された宣教師の数は、20年が168カ国で2万2259人、21年が167カ国で2万2210人、22年が169カ国で2万2204人となっており、この3年間減少が続いた。
23年に韓国から最も多く宣教師が派遣された国は米国で1893人、次いでフィリピンが1380人だった。日本は、韓国の宣教師が4番目に多く派遣された国で、1256人だった。
宣教師の派遣先を地域別で見ると、アジアが1万2889人で最も多く、全体の58・6%を占めた。その後に、北米(2333人、10・6%)、欧州(1911人、8・7%)、アフリカ(1844人、8・4%)、中南米(1000人、4・5%)、中東(991人、4・5%)、南太平洋(686人、3・1%)、その他(352人、1・6%)が続いた。
調査対象は、長期派遣の宣教師で、韓国国内で外国人を対象に活動する宣教師も含まれている。宣教師の主な活動対象は、海外の現地人が85・3%、海外の韓国人(ディアスポラ)が6・7%、韓国国内の外国人が3・9%、宣教師と宣教師の子どもが2・4%、その他が1・7%だった。
性別は男性が48・1%、女性が51・9%だった。夫婦で派遣されている宣教師は全体の90・7%を占め、独身の宣教師は9・3%だった。独身の宣教師は、29・3%が男性、70・7%が女性だった。
年齢別で見ると、20代以下が0・78%、30代が6・14%、40代が25・17%、50代が48・55%、60代が25・85%、70代以上が3・51%だった。20代以下~50代はいずれも、この3年間減少し続けたのに対し、60代と70代は増加。23年の宣教師の平均年齢は53・7歳で、この3年間で1・6歳上昇した。
約30年前の1994年は、30代以下が70・2%、50代以上が7・5%だったのに対し、2023年は30代以下が6・9%、50代以上が67・9%とほぼ逆転し、高齢化が進んでいる現状が浮き彫りになった。
米ゴードン・コンウェル神学校の世界キリスト教研究センター(CSGC)が、1970年から2010年までのキリスト教の世界的な情勢分析をまとめた『グローバルな文脈におけるキリスト教』(英語)によると、韓国は2010年時点で2万人の宣教師を派遣しており、世界で6番目、アジアで最も多く宣教師を派遣している国。世界最大の宣教師派遣国は米国で12万7千人。その後、カトリックが優勢なブラジル(3万4千人)、フランス(2万1千人)、スペイン(同)、イタリア(2万人)が2位~5位を占め、人口の約3割がキリスト教徒とされる韓国が続く形となっている。