非営利団体の理事会は通常、組織の戦略、財政、運営を監督する。最近ウガンダを訪れたウィクリフUSAの理事たちは、自分たちが支援している聖書翻訳者たちを目の当たりにした。
ウィクリフUSAのリンゼイ・オレスバーグ理事長は「今回のウガンダ現地訪問は、私たちの現地パートナーを訪れ、さまざまな段階にある3つの異なる聖書翻訳プロジェクトを視察する理事会ビジョンのための旅でした。理事会のビジョンは、かなり高いレベルで機能しています。さまざまなプロセスについては以前から聞いていました。しかし、それらを直接見て、最終的に翻訳が完成した聖書を手に取るのが誰であるかを知ることで、翻訳の品質に対する信頼が強まりました」と語った。
アドバイザーたちは、ウガンダなどで定着しつつある新しいアプローチや口語訳聖書についても検討した。オレスバーグ氏と理事会の他のメンバーは、口語訳聖書翻訳のワークショップを見学した。
「6つの異なる少数言語コミュニティーが、各コミュニティーから8人ずつ集まり、3週間のトレーニングイベントを行います。その間、彼らはルカの福音書1章から6章までを母国語で記録するのです。そのプロセスや最新のテクノロジーによって、高校教育すら受けていないような人々が聖書翻訳に携わることができるようになるのを目の当たりにして、非常に驚かされました」とオレスバーグ氏は説明する。
「研修を終えた人々は、コンピューターの使い方や録音ソフトの使い方などを学んだだけでなく、聖書を自分たちの言葉で自分たちのコミュニティーに伝えることに深く関わっていました。私が関わった、漁師と農夫である2人の翻訳者は、それまでコンピューターに触ったことがなかったと言っていました」とオレスバーグ氏は続ける。
ウィクリフUSAは、世界中の1200の教会、宣教団体、志を同じくするミニストリーと提携し、人々が聖書を通してイエスと出会うことを、その人々が明確に理解できる言語と形式で実現している。
「ウィクリフUSAは、世界中のこの種のプロジェクトの主要な資金提供パートナーです。その資金がどのように使われたかは、私たちにとって重要なことです。その資金がどのような影響を与えているのかって。聖書が正確で自然な形で翻訳され、その過程で教会が建てられるという点で、プロジェクトの資金援助が望ましい効果をもたらしているという大きな確信を持っています。他の理事も私も大きな満足と納得を得て帰国できました」
昔から聖書翻訳は骨の折れる働きだが、人々から注目されたり、感謝されたりするといった日の目を見ない。そのような地道な作業に勤しむ奉仕者を、最新のテクノロジーが助けている。また、豊かな先進国からの技術援助や資金援助も非常に大きな役割を果たしている。
現場で働く奉仕者と、資金や祈りで後方支援をする奉仕者が一丸となり、ウガンダのみならず、世界中で聖書翻訳が進むよう祈っていただきたい。
■ ウガンダの宗教人口
プロテスタント 9・9%
カトリック 39・2%
英国教会 36・1%
イスラム 11・5%
土着宗教 2・6%
正教会関係 0・1%
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