ガンカとイワンは、生まれたときから信仰に親しい環境で育った姉弟だった。実際、彼らの祖母は、村で最初のイエスの信者だった。しかし、成長するにつれて、2人は主から離れてしまった。人生の困難やこの世の悩みが彼らの信仰をふさぎ、子どもの頃に学んだことを全く無視するようになったのだ。
イワンの人生が下り坂となったとき、彼は幼なじみのペトコのことを思い出した。2人は友情を新たにした。信仰深いペトコは、イワンが主イエスを再発見することを助けたのだ。
一方、イワンの姉のガンカは結婚して2人の子どもをもうけた。ところが、ガンカの夫は若くして亡くなり、彼女は幼い息子たちを一人で面倒見ることになった。そんな中、ガンカは病に倒れ、生活はさらに苦しくなった。医師は彼女が脳腫瘍と肝臓の感染症を患っていると診断したのだ。
「私には希望がありませんでした」とガンカは言う。「友人や家族は、息子たちや私のために助けを求めましたが、助けてくれる人はありませんでした。私は、自分の人生は終わったものと確信していました」
絶望的な状況の中で、弟イワンが友人のペトコに、姉ガンカの家を訪ねてくれるように頼んだ。ガンカは、決してその日のことを忘れることはないと言う。「ペトコは私に神の言葉を伝えてくれました」
「彼はその日、私に油を注ぎ、祈ってくれたのです。もちろんイワンも一緒に祈ってくれました」とガンカは当時を振り返る。ペトコとイワンと一緒に、毎日多くの信者がガンカのために祈った。
ペトコは言う。「私たちは、主からの奇跡を祈っていましたが、人間的に言えば、ガンカの状態が良くなることは不可能だったでしょう。私たちは信仰をもって祈っていましたが、同時に最悪の事態も覚悟しなければならなかったのです」
ある日、ガンカはペトコの家の教会で、村の信者たちと一緒に聖書の勉強会、祈りと礼拝の集会に参加した。そしてガンカはその集会で、幼いときにあれほど慕っていたイエス様に再会したのだ。その時、彼女は自分の人生を主イエスに委ねた。
ハレルヤ!その日以来、神は彼女の体に奇跡的な癒やしを与え始めたのだ。数日後、ガンカは定期検診のために病院を訪れたが、医師たちは彼女の症状が改善されているのを見て、大変驚いた。
「30年以上も主を忘れて信じていなかったのに、イワンと私は今、神様の大きな憐(あわ)れみを体験しているのです!」「神様が私の人生に働きかけ、病を用いて、私を再びご自身に引き寄せてくださいました。全ての賛美と栄光を主にささげます!」
涙ながらに語る彼女のこの言葉には、真実があふれていた。
信仰が形骸化するブルガリアで、はっきりとキリストを見つけて、主の御言葉を愛する新生の信者たちの証しには力があり、同国の大きな希望だ。彼らのような新生の信者が、ブルガリアで大胆に証しし、生きた信仰が伝播するように祈ろう。
■ ブルガリアの宗教人口
正教徒関係 78・56%
プロテスタント 2・28%
カトリック 0・99%
イスラム 12・1%
ユダヤ教 0・04%