大阪府警茨木署は5日、カトリック大阪教区茨木教会(大阪府茨木市)の井上博嗣司祭(74)が、信者の女性に対してわいせつな行為をしたとして強制わいせつ容疑で逮捕した。女性が今年1月、同教会を管轄する大阪教区に対して事態を申告。同教区の取調べに対して、井上司祭は一部の行為を認めているという。女性は40代の母親で、小学生の娘に対してもわいせつな行為があったとしている。時事通信が伝えた。
同教区によると、井上司祭は当時担当していた別の教会で01年ごろから母娘と知り合いになり、02年4月からは茨木教会、高槻教会の両教会を担当するようになった。この頃から、母親が茨木教会で食事の支度や掃除など軽作業のアルバイトをし始めるようになり、井上司祭が母親を抱きしめてキスをするなどの行為を行うようになったという。調査によれば、母親に対しては昨年10月から12月にかけて約70回にわたって、「愛してます」などといって抱きつく行為があったとされており、昨年12月には娘に対しても同様の行為が1回あったという。
井上司祭は、キスなどの行為があったことは認めたが、わいせつ目的ではなかった、海外では普通のことだと供述している。一方で母娘に対しては、申し訳ないことをしたとして、謝りたいとも語っている。
同教区は、井上司祭の行為が「教会に対する信頼を失う行為」だとし、弁護士数人による第三者委員会を立ち上げ、関係者などからの聞き取りを行っている。同教区の松浦悟郎補佐司教は記者会見を開き、「関係者におわびしたい。今後このようなことが起きないよう全力を尽くして取り組む」(読売新聞)と謝罪。8日には一般信者に対して説明を行うとしている。