角川文化振興財団は22日から、2019年のローマ教皇フランシスコの来日を契機に立ち上げた「バチカンと日本100年プロジェクト」で、クラウドファンディングの募集を始めた。
プロジェクトは教皇庁文化評議会の後援のもと、バチカン図書館やバチカン文書館などに存在する日本関係の文書の調査研究活動を中心とする。来年、国交樹立80周年を迎えるのを前に、450年にわたる日本とバチカンの文化交流の歴史を解き明かすことで、今後100年先の未来も見据えた両国の友好関係構築を目指している。
研究チームには、元文化庁長官で多摩美術大学理事長の青柳正規氏を代表とする研究者ら10人以上が参加。これまでに、日本のキリシタンが1620年に当時のローマ教皇パウロ5世に送った「奉答書」や天正遣欧使節の文書の紙質科学調査などが許可されており、研究チームの一人である川村信三・上智大学教授は、「バチカンを訪れる度に新たな発見が付け加わる感動をいただいています」と話している。
寄付は3千円から可能で、寄付額やリターン品が異なる全9コースが用意されている。リターン品は、▽カトリック最古の定期刊行物「La Civiltà Cattolica(ラ・チビルタ・カットリカ)」日本版、▽特別セミナー聴講、▽プロジェクトサイトへの名前記載、▽特別表紙本『バチカン美術館の至宝100』、▽限定絵葉書など。10万円以上の寄付者は、バチカンへ献上する報告書と公式記録ドキュメント映像に名前も記載される。
クラウドファンディングの参加者は「文化交流パートナー」としてプロジェクトを支えるとともに、「ロマンあふれる新たな歴史発見の目撃者」になるとし、同財団は協力を呼び掛けている。目標金額は1千万円で、締め切りは来年1月19日。プロジェクトの研究テーマや寄付の詳細などは、クラウドファンディングのページを。